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「……跡部、」
「何だ?」
「俺…、ホンマに跡部と付き合ってるんやよね?」
「何だよ、実感ねぇのか」
「……おん」
だって信じられない。
あの跡部が、縛られるのが嫌で今まで特定の彼女を作らなかった跡部が、何の取り柄もない、しかも同性の俺と付き合っているなんて夢のまた夢みたいな話だ。
「……俺は、」
「ん…?」
「俺は好きでもねぇヤツに、こんな風に合わせられる程優しくねぇよ」
「跡部…」
そう言うや否や、プイッとそっぽを向いてしまった跡部。
その横顔は薄く朱に染まっている。
跡部でも照れる事があるんだなと思うと何だか可愛くでも妙に可笑しく感じ、また小さく笑ってしまった。
それが彼を不機嫌にさせてしまい、少し拗ねた表情になったが、そんな姿も可愛く思えた。
「……笑うんじゃねぇ」
「ふふ、ごめんごめん」
それでも笑う事を止められない俺に呆れたのか、跡部は小さく苦笑した。
苦笑いとはいえ、跡部が笑うなんて珍しい。
「あ、せや。プレゼントがあるんやった」
「プレゼント?」
「おん。はい、どうぞ」
プレゼントの存在を思い出し、クリスマス用に包装されたそれを手渡す。
訝しげな表情で受け取った跡部は、丁寧にそっと中身を取り出した。
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