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テレビ画面に、綺麗な電飾を沢山施されたクリスマスツリーが映し出された。
何がそんなに楽しいのか、女性アナウンサーと最近よく見掛けるお笑い芸人が、やたらハイテンションでそのツリーを紹介している。
寒い中ご苦労なこった。


「……もうすぐクリスマスやね…」

「そうだな」


ぼんやりテレビを眺めていた忍足がポツリと呟いた独り言に、何となしに返してやると、忍足はテレビから俺に視線を変えて柔く笑った。


「楽しみやね」

「何が」

「クリスマス」

「……別に」

「え?楽しみやないん?」


俺の言葉に驚いた忍足は、瞳を真ん丸くさせる。
別にそんなに驚く事でもないだろ。
コイツはリアクションがたまに大袈裟なときがある。


「あんなくだらねぇものに、現抜かす奴の気が知れねぇ」

「そうかなぁ…ロマンチックで素敵やと思うけど」

「……ごちそうさま」


これ以上下らない議論を交わす気は更々ない為、忍足の言葉を半ば無視して席を立った。
慌てて食器を片付け始める忍足を背に、俺は風呂場に向かった。

















「次、良いぞ」

「あ、うん」


寝室で雑誌を見ながら寛いでいる忍足に、声を掛ける。
入れ替わりで風呂場へ向かった忍足を見送り、今さっきまで忍足が寛いでいたベッドの中に入った。



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