□おたんじょうび
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「うるせェェェェ!!しつけぇんだよ!」

『あ、やっと出た。もぉ〜途中で切るなんて酷いじゃない!それにママに向かってその口の利き方は何?非常識よ、景ちゃん』

「非常識なのはそっちだろうがっ!」


全く何で朝っぱらからこんなイライラしなきゃならねぇんだ。


『景ちゃん、そんなにイライラしてたら幸せ逃げちゃうぞ?』

「……用件は何だよ?」


一々突っ掛かっていたらきりがない。
スルーが一番だ。
ま、大人の対応ってヤツだな。

相手はスルーされても然程気にしていないのか、呑気に話を続けた。


『そうそう、明日ゆーくんの誕生日なの知ってた?』

「明日って16日か?」


カレンダーで今日が15日だというのを確認する。


『へ?今日って14日じゃなかった?』

「……パリではまだ14日だろうな。東京は15日の早朝5時だ!」

『あらそうなの?ごめーん、景ちゃん』


な、殴りてぇ…!!
何だよガチでわからなかったのか。
バカか?バカなのか!?
もうコイツが母親って思いたくないんですけど…!



……ん?ちょっと待て。


「……侑士の誕生日って15日なのか?」

『そうよ。ちゃんとお祝いしてあげなさいよ?』


15日って今日じゃねぇか!
全く何も用意してねぇんだけど…!


その後母さんが私もプレゼント送ったから、とかああだこうだ言っていたが、もうそんな事は俺の耳には入ってこなかった。

ただ、今日が侑士の誕生日って事で頭がいっぱいだ。


さて、どう祝おうか…?



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