□プレゼント
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「せやから、前祝いって事で今日は一日一緒に過ごそうな」

「今日は普通に授業があるだろうが」

「学校にはもう休む言うたから大丈夫やで」

「俺の承諾なしに勝手にやるの止めてもらえませんか?」


こいついつの間にそんな事したんだ?
相変わらず油断も隙もないヤツだ。

ジロリと忍足を睨み付けるが、本人はどこ吹く風。
終始笑顔のままだ。

ハァとわざと聞こえるように溜め息を吐いて、仕方なく着替える事にした。
抵抗した所でコイツが諦める筈ないだろうし、無駄に体力を浪費するだけだ。


「それにしても…」

「アーン?何だよ?」

「景ちゃんの寝顔は最強に可愛いな!」

「テメ…!」


そうだった…!
不覚にもコイツに寝顔見られたんだ。
よく分かんねぇけど、すっげぇ悔しいんですが。
つうか可愛いって言われても嬉しくねぇんだけど。
俺男だし。

若干不貞腐れながらパジャマの上を脱ぐと、急に忍足が慌て始めた。



「け、景ちゃん…!」

「何だよ?つうか何一人で焦ってんだ?お前」

「い、今は、じじ上半身裸にならんといてや…!」

「はぁ?」

「さ、さっきの寝顔でドキドキしとるのに、いい今そ、そんな格好されたら、はっ鼻血もんやで…!」

「うん今すぐ出で行けお前」


顔を真っ赤にして挙動不審になっている忍足を部屋から追い出した。
よく分かんねぇが、多分危機から逃れた気がする。

大体何で俺の裸が鼻血もんなんだ?
同じ男だし、部活で見慣れている筈じゃねぇか。
ホント訳分かんねぇやつ。



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