□sweetly
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「おはよう、侑士」

「はよ、景ちゃん」


部活が休みなため、のんびり出来る日曜日。
昨日から景ちゃんの家に泊り込んだため、一緒に朝を迎えた。
もう昼に近い時間帯だが、景ちゃんと二人でまったり布団の中で過ごしていた。


「………」

「何?」

「……イヤ、何でもねぇ」

「そう?」


何た言いたそうな景ちゃんに首を傾げると、唇を突き出して拗ねてしまった。

本当は、何が言いたいのかわかってる。
でもちょっとだけ意地悪をしてしまう。

だって拗ねた顔をする景ちゃんは、普段よりずっと子供っぽくて可愛いのだ。


「そろそろ起きる?」

「!あぁ」


パッと表情を明るくした景ちゃんは、勢いよくベッドから起き上がる。
それを横目に俺も起き上がり、キッチンへ向かった。


「……何してんだ?」

「何って、ご飯の用意」


朝食というより、もう昼食に近い食事の準備をする。
っと言っても料理はそんなに得意じゃないから、簡単なものしか作れないが。
景ちゃんの家だけど、もう何度も訪れているため、どこに何があるかもわかっている。


「ご飯、目玉焼きとトーストでえぇ?」

「………」

「景ちゃん?」

「知らねー。お前なんてもう知らねー」


すっかりしょ気てしまったのか、景ちゃんはキッチンから居間に移動してソファで不貞寝し始めた。

こういうところが子供っぽくて可愛いのだ。
普段のちょっと気取った大人っぽい景ちゃんも格好良くて好きだけど、こっちの方が年相応で好き。

そろそろからかうのを止めても良いが、もう少しこの可愛いところを見たくて、もうちょっと意地悪をする。



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