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□プレゼント
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外から聴こえる小鳥のさえずりと、カーテンの隙間から差し込む朝日。
いつもはそれらによって気持ち良く目覚める筈なのに、今朝は若干うなされてしまった。
何故か身体が重いのだ。
金縛りか?と一瞬思ったが、ちゃんと動ける。
取り敢えず起きようと目を開けたら、視界いっぱいに忍足の顔があった。
「どわぁぁあぁ!!!!?」
「おはよう、景ちゃん!」
「お、おはようじゃねェェェェ!!」
【プレゼント】
「何でお前がここにいるんだよ!?つうか、退け!重い」
俺の上に馬乗りになっている忍足を無理矢理退かし、威嚇の意を込めて睨む。
そんな俺をもろともせず、ニコニコ顔のまま俺を見つめる忍足。
ちょっと、イヤ大分気味が悪い。
「明日景ちゃんの誕生日やんか?」
「アーン?」
「一番にお祝いしたいから、今日は一日中一緒にいよう思て。明日は無理やろ…?」
「あぁ」
確かに明日は、跡部財閥と関わりがある企業らとのパーティーがある。
跡部財閥の一人息子の誕生日だけあって、毎年盛大に祝われる。
あんまり好きじゃねぇんだよな。
俺が主役だけど。
ああいう外面だけ着飾った連中に愛想良くしなきゃならねぇなんて、正直疲れるだけだし。
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