その他
□仁王
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私の彼氏は変人だ
コート上の詐欺師だなんて呼ばれてて、日常生活でも誰かしらに変装して過ごしてたりする
ほら、今日だって
『やーぎゅ』
「おや、どうしたんですか?」
『雅知らない?』
「仁王くんなら屋上に居ると思いますよ」
『ふーん、ありがと雅』
優等生ぶって柳生の変装をしていた
まぁ今探してるのは柳生のほうだからお礼だけ言って私は屋上に向かった
屋上へと続く扉を開ければ真っ青な空と銀髪が視界に入る
「おまんがこんなとこおるなんて珍しいの」
『......普通に話していいよ柳生』
そう言えばにっこり笑っていつも話してるみたいに話し出した
容姿が雅だから、なんか似合わない
『ねぇ、何で雅は私の前でも変装するのかな』
「嬉しいんじゃないですか?」
『何が?』
そう聞いてみてもふふっと笑うばかりで、答えてもらえなかった
教室に戻ると銀髪をゆらして机に突っ伏している雅がいた
もちろん本物の雅
『まーさ』
「なんじゃ?」
『なんで私の前でも変装するの?』
さらさらの髪を撫でながらそう聞いてみると雅は口端を持ち上げて笑った
それから耳元で愛の言葉でも囁くように言った
おまんが見つけてくれるからじゃ
(別に変装しなくても雅は雅じゃんか)
(はは、顔が真っ赤)