黒子のバスケ

□玲央
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『玲央ねぇ、部活行こー』

「あら、呼びに来てくれたの?」

『うん!!』


廊下で見つけた玲央ねぇに大きく手を振って駆け寄ると転んだ

それはもう見事に躓いて転んだ

寒い廊下の床は冷たくて痛い

すぐに駆けつけてくれる玲央ねぇ

呆れ顔だけど、優しい


「あなたは何度同じことをするの?」

『う......』

「まったく、何度私が気をつけなさいって」

『ごめんね?』


へらっと笑うと玲央ねぇも同じ目線にしゃがみ込んで来て頬を引っ張る

むにむにと引っ張る玲央ねぇはちょっと不機嫌そうになる

両手で数え切れないくらい"気をつけろ"って注意を受けた

みんな心配性だと思う

玲央ねぇの手を借りて立ち上がってスカートについた汚れを手で払いのける


「はい」

『何?』

「手、出しなさい」

『手、繋がなくても大丈夫だよ?』

「そう言ってこの間も転んだのは誰?」


そう言われて、返す言葉がなくなる

つい先日も赤司くんに書類を渡しに行って転んだ

赤司くんは私を支えてくれて痛い思いはしなかったけど......

おずおずと手を繋ぐと"そうやって大人しくしてればいいのよ"って満足そうに微笑まれた

触れてる部分から熱が伝わって、そのまま頬に伝わった気がした



絡まる指と伝わる体温
(あらあら真っ赤になちゃって)
(玲央ねぇのせいだよー)


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