黒子のバスケ

□黒子
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『異常気象だ....』

「確かに暑いですね....」


9月初秋

もう秋に入っているはずなのに夏特有の生ぬるい風とか、暑さとかが残っている

今日も今日で暑い一日だった

29℃なんて暑い中帰る気にはならない私は、もう少し暗くなってから帰ろうと教室に残っていた

そんな私を見て、テツくんも私の前の席に座っていた


『暑いね』

「そうですね」

『っていうかテツくん部活は?』

「今日は自主練なので」


手に持っている本をぺラリとめくりながら答えるテツくん

相変わらず外は暑そうだ、よくこのなか外で部活出来るなぁと思う

テツくんをちらっと見れば彼は額にうっすら汗をうかべて本を読んでいた

体にまとわりつく暑さに嫌になり私は鞄からあるものを取り出した


「扇子ですか?」

『そうです』


取り出した扇子でぱたぱたと扇ぐ

窓から入ってくる風も涼しいのだが少し生ぬるい為扇子の風は気持ちよかった

前にいるテツくんも暑いだろう

あ、そうか


『テツくん、扇いであげるよ』

「え、いいですよ」

『テツくんも暑いよね?』

「まぁ、そうですね」


テツくんも暑いと言った

一度断られたが、きっと風が欲しいに違いない

そう思って扇子で仰ぐと小さな声でありがとうございますと返ってきた

それから数分すると、テツくんはいきなり立ち上がった


「じゃあ僕そろそろ部活に行きます」

『あ、そっか いってらっしゃい』

「はい、本当にありがとうございました」


そう言ったテツくんにどういたしましてと笑顔で返す

その後テツくんが私に少し近づいた

そして触れるだけの軽いキスをされた

唇が離れたあと反射的に唇を手で覆った


『テツくん、何、して』

「扇いでくれたお礼です」

『お礼なんてそんな』

「顔、真っ赤ですよ」

『そんなことないよ!』

「そうですか?じゃあ僕は部活に行ってきます
 気をつけて帰ってくださいね」


そう言って教室を出て行ったテツくんの後ろ姿を真っ赤な顔になって私は見ていた

それから教室を出たのは数十分後のこと



もちろん、キスで
(黒子、なんか機嫌よくねぇか?)
(はい、ちょっと気分がいいんです 火神君)


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