倉庫
□証【青黄】
2ページ/8ページ
ドリブル右、右、そこで左フェイク、止めて一気にクロスオーバー
フェイクにやっとかからなくなってきて食らいつく黄瀬を左ターンで撒く
待ってたかのようにボールに伸ばしてきた手の少し下に手をやって阻止、そこからクイック半歩下がってシュート体勢
大きく跳んで壁になる黄瀬
──…バーカ、フェイクだよ
心の中で疼く歓喜を隠さず笑みをだだ漏らしながら右手のボールに左手を当てそのまま一気に下げる
滞空時間の長い黄瀬のメリットの前にに『デ』をつけてその横をドリブルで抜けてダンクシュート
バッシュとなる音とリングの軋む音だけが体育館に響く
ネットを潜る音は軟弱で書き消された
そのあとワンテンポ遅れて、バスケットボールの地をつく小気味良い音がなる
転々と転がるボールを拾うやつはいない
黄瀬の方に目をやると、心なしか震えてるように見えた
「………??」
腹でも下したかと思って黄瀬に寄ろうとする、と、唐突に顔が上がる
「あーーーー!!!!!!!!!!悔しいっス!!今日こそいけると思ったのに!!」
いきなり喚き始めた黄瀬
なんだ、いつも通りじゃん。心配して損した
「なんであんなとこで強引にフェイクかけられんスか??てか途中までフツーにシュート打つつもりだったじゃん!!!!」
「いや、あれ最初からフェイク」
唯一聞き取れた言葉に反応すると、ウソーーー!!!!!!!!!!!!とか叫んだ
隣のコートで気持ちわりーくらい黙々とスリーだけ撃ってる緑間が「黄瀬、煩いのだよ!!!!」とか不機嫌そうに言った
でもシュートは外さねーのな
「も一回!!もー一回っス!!!!」
「いいぜ、何度でも受けてやるよ」
何度やっても勝つのは俺だけど