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□好きすぎて好きすぎて【日月】(日向視点)
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そんなこんなでなんとか練習が終わる

汗だくの体をタオルで拭っていると同じくして汗だくな伊月に「大丈夫?」なんて聞かれたけれど、「は?」なんてスルーした



「日向、帰るぞー」

着替え終わって日直だった俺が日誌を出して教室に行くと当然のようにしている伊月が言った





「……が」

「…ーが」

「ひゅーが!!」

「は?Σっておぁ!!!!????」

ぼーっとしていたらしく、帰り道。

畦道から落ちそうになったのを伊月に助けられる

「あっぶねー…さんきゅ、伊月」

冷や汗気味に言うと、伊月がオレの顔を覗き込んだ

うっわ、近いんですけど、近いわ!!!!!!!!

「ほんとに大丈夫なのか?具合悪くない?」

テメーのせいで体温上昇中だだぁほ

「ぁーもー……好きだ」

目を逸らし、赤面で俯いて言う

「………え?」

かすかに目を見開くのがわかった

伊月が離れたところでなんとか顔の火照りを消して頭をかきむしる

「だぁらー…」

今度はちゃんと、通る声で

「俺は、お前が…好きだ」

言ったと同時に顔が真っ赤になったのがわかる
耐えきれなくて俯いた



沈黙の長さに気まずさを感じて顔を上げると、それを見計らったように─いや、偶然だろうけど─伊月が抱きついてきた

Σうぉっ!!

…なんて間抜けな声は心のなかに閉まい、なんとか体制を維持してアスリートにしては小柄な体を包んだ

「……遅すぎるよ、バカ」


呟きが鼻声だから、恐らく泣いているんだろう

滅多に、というか伊月が泣くところなんて今まで見たことがなかったから、ずいぶん自分は彼を待たせていたらしい、と悪く思った

「…だぁほ」

それだけ言って、俺は伊月をきつく抱き締めた


日向のばかばかばか。

俺は中学の頃から好きだったのに。

もっと早く気づけばか。


びーびー泣いてた伊月だったがようやく落ち着いたらしく愚痴ってきた

「…悪かったよ」

俺はそう言って苦笑して、せめてもの償いに伊月のサラサラの黒髪を撫でた


──…その分今日からたっぷり愛してやるから
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