銀魂小説/パロディ

□無意識なる憤怒の罪
2ページ/3ページ



辺りが火の海に包まれていた
いや、それは昨日の話しだ
今や何も残っておらず灰しかない


何故こんなことになってる?
それは神威と高杉が暴れたから


何故皆が死んだ?
高杉と神威が殺したから


何故そうなった?
護りぬけなかったから


何故護り抜けなかった?
自分の力が護るに足らなかったから


1度決めたことは護り通すのが侍の魂なのに?
出来ないことだってある


無理なことだって…………。



目の前が真っ暗になった
何も見えない
何も聞こえない


あれだけ血飛沫を出していた天人の叫びの喚きすら聞こえない


ああ、この感覚は…


この感覚は俺は知っているはずだ
ただ、前より現状が酷いだけ


攘夷活動のときもあったじゃないか
先生が死んだときだって


大事なモン背負い込んで恐ろしさ悪夢(現実)を見るのが嫌で全てを捨てたはずが、周りには支えてくれる護り通したいモンが出来ていた


幸せを得るなら壁を超えなきゃいけない
護らなきゃいけない


それが出来なかった



何もない地球の大地で仲間を失い護れなかった坂田銀時は1人枯れたはずの涙を流し倒れていた。


「二度もこんなことを…」


「だから言っただろ、銀時…俺はただ壊すだけだこの腐った世界をな」


頭上から声が聞こえた
ゆっくりと目を開く


「高杉…」




高杉が見下ろしていた。
その高杉の目は闇を見続けているような目をしていて合わせることを逃れたい思いに包まれる


「まったくバカな奴だ」


「……高杉ィィィィイイイイ!!」



憤怒



憎悪



後悔



絶望



悲痛



拒絶



孤独



恐怖





銀時の心は空のように棄てられ、新たな感情だけが湧き出た


仲間を失った孤独と恐怖
信じたくない真実への拒絶
呼び覚ます過去と同じ悲痛
前が見えない絶望


そして…


その原因を起こした高杉や神威、護れなかった自分へと向ける憤怒の怒りと憎悪


刀を手にして高杉へと斬りかかる



そして感情に任せてしまった後悔
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ