銀魂小説/パロディ

□罪と処罰と暴食
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銀髪の綺麗な髪が血に塗れていた。
突然なにかと思うが、事実なのだ

身体の方はタダの肉塊になっている
髪の毛でしか区別がつかないような酷く醜い状況だった。


なんでこうなっているのだろうか
不思議と神威は肩を竦める


自分はお侍さんが強いから好きで獲物は一番最後のディナー
なのに何故、今既にこんな状態に?


「あぁ…なんだ、単純な話じゃないか」


ひっそり呟き微笑む

辺りをよく見ると肉塊になっているのは銀髪の男だけではない。
自分とそっくりな髪の色をした女のような体型をしたヤツと誰だかわからない黒髪の地味そうなヤツ

それに血に塗れ紅に染まった大きな犬らしき銀髪の男のペット


それだけなら、まだいい
しかし周りを見る限り
そうではなかった。


黒い制服の侍達
自分の弱い仲間の第七師団のメンバー
女物らしき着物をボロボロにさせ横たわる紫色の髪を持つ包帯を巻いた男


全てが全て心臓の辺りを潰されている。


たりない


たりない


たりないたりないたりない


たりないたりないたりないたりないたりないたりないたりないたりない!!



神威は心の中で叫んだ。
いくら人の魂を喰らおうとも、己の魂が満たれることがなくなってしまったのだ。


今や誰も存在しない侍の星
今はただの箱庭


そのなかで1人狂い叫ぶ


「あは、ハハハハハハハッ」


皆いない

皆俺が殺した


「ハ………アハハ…」


声が出なくなった。


自分が望み暴れた結果なのにも関わらず虚しさと虚無に包まれてしまう。


何故だろうか?

強さに無駄な感情はいらないはず

なのに何故?


ふと銀髪の男の一言が出てきた


「奪うだけじゃねぇ、護る気持ちこそがテメェを強くする侍の魂だ!!そんなことも知らねぇガキにコイツ等は殺らせねぇ!!」


かく言うも、お兄さんこと高杉が爆弾を全て爆破させたうえ第七師団に皆を襲わさせた為、流石の白夜叉も適うわけもなく

護れず命を絶ってしまったのだが。

否、命を絶ってしまった理由は生易しいもの


相手は神威を斬るつもりはなかった


斬らず道を正そうとしてきた。
遠回しにモノを言い正そうとした。


だとしたら厄介だ
神威はそう思った。


虚無はそこから生まれてしまったと心底思っていたからだ

気づいてしまったからだ


大事なことに
抑えれず一粒の小さな涙を流す。


自分は罪を起こしてしまった。



一時の感情に飲み込まれ

魂を暴食し

全てを失った




俺はどうすればいいんだヨ…
お侍さんなら知ってるカナ?


ありもしない魂へ問う


それが罪を犯しちまったヤツの処罰だよ、重いなら逃げるもいいけどよ…。自分を大切にしやがれ、死んだ神楽や新八の分もな

そうしねーと、許せるわけがねぇ


そっと心の底で返事が
返ってきた気がした


静かな怒りのようで
静かで穏やかな優しい声が


-end-

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