私は奈落の造りもの

□12.悲しみの花
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「せ、殺生丸様?蓮香はどういたします?」

「放っておけ」

「あーそうですか、放って…放って!?」

「煩い…」

「あっ、蓮香ちゃん!お帰りー」




殺生丸と向かい合うようにして立っていたりんは殺生丸の後ろに蓮香の姿をみつけた。

蓮香の近くにはかごめと珊瑚も一緒に居る。

あまり心地よいとは言えない沈黙の中、一面に咲く白い花が風に揺れた。




「…神楽姉様は何故、救えなかったの」

「……」

「殺生丸に救う意思が無かったの?天生牙が拒んだの?」

「神楽は望んでいなかった。それだけだ。……行くぞ、りん」




背中を向けたまま短く、冷たいとも取れる答えを返してさっさと行ってしまった殺生丸。

蓮香を置いて行きたかったのか、少し距離をおきたいという思いの表れなのかは、殺生丸の少な過ぎる言葉から読み取ることはできなかった。

 
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