私は奈落の造りもの

□10.大切な想いと思い
4ページ/4ページ

「それにしても、この羽凄いですね!」

「あぁ、これかい?」




興味津々で神楽の手に収まる小さな羽を見る蓮香は子供のようで、正直、笑えてくる。




「なんで笑ってるんですか?」

「そんなに物珍しく見なくたっていいだろうが」

「こんなの見るのも乗るのも初めてだから…」

「やるよ。好きに使いな」




神楽が蓮香の手に羽を握らせた。









あの頃は神楽姉様と色んな所に行って、楽しかった…




だが、今の方がそのとき以上に充実していた気がした。

常に近くに殺生丸が居て、支えてくれる。

それに今は、犬夜叉やかごめの助けもある。




「殺生丸…」




完全に邪見の事を忘れ、殺生丸への想いに浸ってしまった蓮香。

思わず表情が緩む。

自分の為に自由を共に探し、共に戦い、共に想い合ってきた。

だからこそできた絆がある。

他の者には決して絶つことの出来ない絆。



私はずっと絆を信じてる。

奈落にも引き裂けない絆を。

 
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ