私は奈落の造りもの
□10.大切な想いと思い
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「それにしても、この羽凄いですね!」
「あぁ、これかい?」
興味津々で神楽の手に収まる小さな羽を見る蓮香は子供のようで、正直、笑えてくる。
「なんで笑ってるんですか?」
「そんなに物珍しく見なくたっていいだろうが」
「こんなの見るのも乗るのも初めてだから…」
「やるよ。好きに使いな」
神楽が蓮香の手に羽を握らせた。
あの頃は神楽姉様と色んな所に行って、楽しかった…
だが、今の方がそのとき以上に充実していた気がした。
常に近くに殺生丸が居て、支えてくれる。
それに今は、犬夜叉やかごめの助けもある。
「殺生丸…」
完全に邪見の事を忘れ、殺生丸への想いに浸ってしまった蓮香。
思わず表情が緩む。
自分の為に自由を共に探し、共に戦い、共に想い合ってきた。
だからこそできた絆がある。
他の者には決して絶つことの出来ない絆。
私はずっと絆を信じてる。
奈落にも引き裂けない絆を。