短編

□半妖
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蓮香が殺生丸一行と過ごして数日がたった。
今日もりんと話していたら、りんがふと思ったことを口にする。

「蓮香ちゃん、どうするの?」

「ん?なにが?」

「蓮香ちゃん、りん達と一緒にいれるの?」

蓮香の傷が癒えた今、殺生丸の近くに居る理由がなくなっていた。

「何時まで居れるのかなー?」

そう言いながら、蓮香は、殺生丸を見た。

「ちょっと待っててね」

そう言い残すと、蓮香は、殺生丸が腰を下ろしている木の根の方に歩いて行った。

蓮香の足音が近づいて来ると殺生丸は静かに目を開け、蓮香の方を見る。

「あの、殺生丸様?」

「何だ?」

「私、殺生丸様の旅に着いていってもいいですか?」






「りん、蓮香は、殺生丸様に何を言っているのだ?」

「一緒に行きたいって言ってるんじゃないかな?」

「なぬーっ!」

邪見の声が聞こえた殺生丸は、邪見を見て、睨んだ。

「ひぃぃーっ!」




「私は、お前になど用はない」

「、、、ですよね」

蓮香は、少し落胆した様子だったが「そうですよね」と寂しく笑った。





「えぇぇー!蓮香ちゃん、来れないの?!」

それを聞いていた、邪見はというと、

ふぅ。殺生丸様が蓮香まで連れるとなると、世話をするのは、わしだからなー

りんとは逆の反応だった。

だが、邪見の喜びは、一時的なものになることを誰も知るよしもない。


「それじゃあね。りんちゃん」

「うん、、、」

りんは、肩を落としてがっかりしているが、蓮香は、「また、会えるよ。その時までの辛抱だから」と言い、にっこりと微笑む。

軽く言葉をかわすと、今度は殺生丸に向き直り、口を開いた。

「それから殺生丸様、旅の足止めをしてしまい、申し訳ありません。、、、それでは」

蓮香は、一度お辞儀をして、森の奥に消えていった。


 
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