私は奈落の造りもの

□12.悲しみの花
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大好きだった姉を失い、殺生丸のもとから逃げるように走ってきた蓮香は小川を見つけ、小川の水で腫れた目を冷やしていた。

その間も嗚咽が途切れることなく聞こえる。

死にかけた姉を救おうとしなかった恋人。

ただ泣き叫ぶ事しか出来なかった自分。

複雑だった。




「どうして…どうしてよッ!」




悲しみに歪んだ自分の顔が映る水面を手で叩く。

水しぶきが空中に散らばって日の光に反射した。

今は美しく思える筈の光景さえもひどく色褪せて見えてしまう。

この世界の全てが色褪せて見える蓮香の琥珀色の目には光が完全に消え失せていた。



私は唯一の姉さえも失って…

どうすればいいの

 
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