long Novel

□survival 10days 〜Day5〜
2ページ/12ページ

明け方に目が醒めた


隣のベットを見ると5日目にして初めて、てっちゃんが居た


「ふふっ(笑)」一人幸せを噛みしめる


昨夜よりずいぶんと身体は楽だが気怠さが残る


てっちゃんを起こさないよう、そっと寝室を出る


お水を飲み、熱を測ってみる


「37.5℃…」


昨夜、てっちゃんに散々、我慢するなと言われた


「嘘ついてもバレるんだろうな…」


自分の体調にがっかりして寝室に戻る


ベットにはさきほどと変わらない様子で眠るてっちゃん


ベットの横にしゃがみ込み、てっちゃんの寝顔を見つめる


「こんななてっちゃん見れるの、私だけがいいなぁ…」


てっちゃんに近づきたくてそっと手を伸ばすと、てっちゃんがパチッと目を開けて伸ばした私の手をグイッと引いた


『おいで…』


引き寄せれれて、てっちゃんの胸に抱きすくめられる


『まだ、身体熱いな』


私の首筋に顔を埋めそうい言うてっちゃん


「微熱…」


てっちゃんに心配かけないよう遠慮がちに報告


『今日はゆっくり休みな、LIVEも無理しなくていいから』


私の頭を撫で心配そうな瞳で私を見つめる


でも、この10日間、どうしてもてっちゃんのLIVEを見届けたい私


「行きたい…」


お願いするようにてっちゃんを見つめると、少し困ったような笑顔を見せ


『あんま無理すんなよ…』


そう言って私に口づけた


私に覆いかぶさるようにして、いろんなところへキスを落とすてっちゃん


真上から真剣な瞳で私を見つめる


『好き…』

「私も…」


顔を綻ばせ、おでこにキスをくれる


唇を離すと


『soi、好き…』

「うん…」


すぐに頬にキスをくれる


再び私を見つめると、不満げな表情で


『俺のこと好きって言って…』

「てっちゃん、好き…」


瞳にキスをくれる


てっちゃんの唇が離れ、そっと目を開けると、てっちゃんと目が合う


てっちゃんの瞳は切なげで


『もっと言って…』

「てっちゃん、大好き…」


鼻にキスをくれる


それでもてっちゃんの瞳から切なさが消えなくて


『足りない…』

「好きよ、てっちゃん…」


何度、好きと伝えても次から次へと気持ちが溢れてくる


伝えきれない想いを形に変えるように、甘いキスが私の唇に落ちる


この14年間、伝えられなかった想いを甘い言葉とキスで伝え合う


何度も何度も、この14年間を埋めるかのように
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ