long Novel
□survival 10days 〜Day2〜
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約束の時間の少し前、ケンチとサオリが迎えに来た
ケンチ「てっ〜ちゃん、迎えに来たよ♪」
テツヤ「キモイよケンチ」
相変わらず仲の良い2人は昔と変わらない、私の知らないEXのてっちゃん、ケンチが一緒にいてくれて本当に良かったと思う
soi「てっちゃん、頑張ってね」
テツヤ「おう!!ちゃんと見てろよ(笑)」
私の頭を撫で、覗きこむように私の目を見る
ふわっとてっちゃんの香りに包まれる
昔と変わらないてっちゃんの香水の香り
2人が居るのにそんなのお構いなしなてっちゃん、余計に心拍数も上がる
テツヤ「じゃあ、行ってくる(笑)」
私を身体から少し離すと、再び頭を撫でニコッと微笑み、出かけていった
『じゃあ、私達も行こうか(笑)美味しいランチのお店予約したんだ♪』
「本当?!楽しみ♪」
女子2人のトークは尽きない、昨日、初めて会ったのに、あっという間に打ち解けた
この10日間、サオリと一緒に過ごせること本当に良かったと思う
『ねぇsoi、さっきの様子だとてっちゃんと上手くいった感じ?(笑)』
「う〜ん、上手くいったのかどうか(苦笑)」
サオリに昨夜のてっちゃんの言葉を話す
『14年間、てっちゃんもsoiもお互いの事を常に想っていたってことだよね、それってずっと2人は両想いだったってことでしょ?』
「それはわからない(苦笑)私もてっちゃんもこの14年お互いに彼氏、彼女が居た時期もあるし、常にお互いだけを見ていたわけでないんだ。私だけのことを言えば、いろんな恋を経験してその度に、てっちゃんへの想いの強さが増しての繰り返しだったような気がする」
『その度にてっちゃんへ想いを伝えたの?』
「何度か伝えようとしたけど出来なくて、そのうち想いを伝えることで何かが変わってしまうのが怖くなってたのかもしれない(苦笑)」
『じゃあ、逆にてっちゃんからsoiへの想いを伝えられたことは?』
「ない(笑)それとない言葉や態度はもらったことはあるけど、私のことを一人の女として好きだっていう核心的な言葉はなかったから」
『この10日間で初めてお互いの想いを伝えるんだ』
「うん(笑)初めてお互いの想いに向き合ってる気がする。私のてっちゃんへの想い、きっとてっちゃんも気付いてると思う。お互い気付いてながら向き合おうとしなかったんだ」
てっちゃんを想う気持ちが強ければ強いほど、向き合うことが怖かった
向き合った結果、お互いの想いが繋がってなかったらと思うと
『片想いの時って、一人でいろんなこと考えて臆病になるよね。でもいざ両想いになったら、現金なものでその時の思いなんて忘れない?私だったら、すぐそこまで手が届きそうな相手に10日間も待つなんてできないかも(苦笑)』
「う、うん…(苦笑)実は私、何人か付き合った人は居たけど、全部、向こうからで…」
『えっ?!』
「ちゃんとその人達の事、好きだったよ!!付き合ってるときは幸せだなって思うこともあったし。でもてっちゃんは別かな、私が好きになった人、例えてっちゃんが私のこと好きでなくても私は好き、初めての片想い(笑)」
だからかもしれない、想いを伝えるだけで良いって思った
でも、私はてっちゃんとの未来を望みだしている
そう気付いた時点でその先が怖い
でも、ゆっくりと歩み寄ってくれるてっちゃん、先へ進もうって背中を押してくれた
「10日間っていうとサオリのように長く感じる人も居る、でも今までの14年間の想いの行く末がこの10日間で決まると思うと短いような気もする。今までもこれからも、こんなに一人の人の事を想い、向かい合う時間ってないんじゃないかなって思う、大切にしたい」
『そうかもね、普段の生活をしてたら出来ないかも。』
「私達に与えられた時間は10日間なんだ」