トリストっ!

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Sクラスのプリンス








編入試験で無事合格した私達は春ちゃんと共に女子寮へ足を進める。

先程、音也となっちゃんが私たちの部屋で合格祝い兼歓迎会をしたいと言い出し、今日は疲れたからと断ろうとしたが、春ちゃんがキラキラした瞳で「いいですねっ!みなさんでお祝いしましょう!」なんて言い出しちゃうから断れなかった始末。まあ、部屋も無駄に広いしたまにはいいか。わあ、私の心も広いなー。



「二人とも、本当におめでとうございますっ!」

『ありがとう!』

「オリゴ糖ーっ!」



春ちゃん、ホント可愛い。

なっちゃんが可愛いものに抱きつきたくなる気持ちが分かった気がした。



「あ、歓迎会に私の友達も呼びたいんですが…」

『ああ、いいよー』

「ありがとうございます!では、呼んできますね!」

「うん、いってらっしゃーい」



春ちゃんを見送り、私達は2〜3分歩いて部屋についた。私達の部屋は春ちゃんの所からは少し遠い。歩くだけじゃ楽しくないので途中姫香としりとりをしながら歩くことなったが、どっちみち楽しくなったオチ。

持っていた制服をタンスにしまい、ベッドでごろごろする。おお、ベッドふわふわ!!!気持ちいい!これから毎日安眠出来るね!!!!!!



















『音也達遅いー』

「確かに。何してるんだろ」

準備をしてくると言って寮に戻ったきり一向に来る気配がない。かれこれ1時間はたっていた。いい加減お腹も空いてくる。少し何か食べちゃダメかな?そう思い、冷蔵庫の中を漁るが中には何もない。イラッとしてバンと勢いよく扉を閉めてやったぜ。「何してるのっ」って若干姫香怒られたがな!



『いたぁあぁあっ!!!!』

「…?次は何!?」

ふと、肩や背中に痛みが走った。叫ぶほど痛くはないが何となくオーバーリアクション。お腹空いてると何するか分かんないぜぇえぇ。

『ちょい、肩見てみてー』

「はいはい」

ブラウスのボタンを外し肩と背中を露にする。押し付けるように見せつければ無言になった。

「…」

『何故無言なんだよっ、どうなってるー?』

「あんま、見えない。そしてガーゼ邪魔」

『あ、ブラとガーゼが邪魔かぁ。ほいっ』

慣れた手付きでホックを外す。あ、もちろん胸は隠してるからね!!!!そしてガーゼを乱暴に外す。

「うわぁ…」

『なにその反応!!』

「前よりは治ってきてるけど、ちょっと…」

『あー、まじかぁ』

「ていうか、少し血出てるよ」

『えっ!?拭いてぇ』

「嫌だよ!!」

『なんでっ』

「気持ち悪い」

『っておい』



笑って突っ込めばティッシュを渡された。自分で拭けとな…?チッ、気のきかない奴だ。ティッシュを渋々受け取り傷があるであろう場所を押さえる。そしてカバンからガーゼやらなんやらを取り出した。

『せめてガーゼは貼って!!』

「はいはいーっと」

『…っ!ふへ、ぎゃはははっ』

「動くなよっ」

『くすぐったいぃい』

「う・ご・く・なっ!…っとはい、完了!」

『ありがとうー』

「一応聞くけど大丈夫?」

『うん!!』

明るくいい放つと同時に、ピンポーンとインターホンが鳴った。この部屋、インターホンあるんかぁいっ!!!心の中で突っ込み、そそくさとホックを閉め、立ち上がる。



『来たかなー?僕ちんが行ってやるよ』

「あ、おいっ待て…」

「ユウちゃんー、七海ですー」

『はいはーい。』

がちゃりとドアを開けたとき、人数の多さに少しびっくりした。

「なっ!!!!!お、おまっ!?」

最前にいた帽子の君、翔ちゃんが私を見るなり顔を赤らめあたふたしだす。君にとっては初めてみる私に、なんて反応だ。

「遅くなってごめんねー…ってえぇえ!?」

「こんな大人数で押し掛けて申し訳ないな。………………っ!?」



「なっ、あなた…!!」

「ヒュー」

「わぁ、優姫ちゃんセクシーです〜」

『みんなどうしたの!?』

翔ちゃんに続いて音也、ダム様、トキヤ、レン、なっちゃん。本当になんて反応だ。一体どうしたと言うのだ。春ちゃんも顔真っ赤にして視線を泳がせてるし…。友ちゃんはニヤニヤしてるけど…。

「い、いや…」

『?』

「じ、自分の格好…気付いてる?」

『は?格好』

音也に指摘され、すーっと自分の格好を確認する。

『あれ!?』

なんと、ブラウスがはだけており、最近買ったばかりの濃いピンクのおニューブラが丸見えになってるではないか。というか、先程ボタンを閉めるのを忘れていたのだ。なんという失態…!!そのままではいかんので慌ててボタンを閉める。奥からは「だから待てって言ったのに」と、ため息混じりの声が聞こえた。確かに玄関に行く前言ってたような…。

「そ、その…大人数で押し掛けて申し訳ないな…」

「いっぱい人がいた方が楽しいと思い、翔ちゃん達も連れてきましたぁ」

『お、おうふ…。まあ、入ってっ』

「…邪魔するぜ…」

「お邪魔しまーす」



ぞろぞろと数名、顔を赤らめ気まずそうに中に入る。ちょくちょく「広いな」とか「大きいな」等の言葉が飛び交う。無理もないがな。みんな、テーブルを囲み座る。因みに私と姫香は近くにあるベッドに腰を下ろしている。このベッド、ふわふわで離れがたいんだよねー。



「とりあえず自己紹介しよっか!!」

そうだ、いい提案!!とでも言い出しそうな表情で発言する音也。私達、しなくても分かっちゃうんだけどな。まあ、音也の案に従おうじゃないか。



『じゃあ、とりあえずワタスからするねー。明日からAクラスになる米崎優姫、15歳!!趣味は作曲と…喰う事!』

今日、何度目であろう自己紹介をする。

「15って事は音也くんと翔ちゃんと一緒ですねぇ」

『そうなのかぁ』

知ってますよー

「じゃあ、次はうちねー。同じくAクラスになる桜井姫香、16歳!趣味は歌うことと…喰う事…。」

『喰う事一緒だね☆』

「やっぱ変えようかな」

『えっ、酷いなオイ』

「お前と一緒とか、死ねる」

『言い過ぎでしょ!』



二人のやり取りにみんな笑いだす。まあ、姫香も受け狙いで言ったのだろう。…多分。世の中ポジティブでないとね

「さっきもしたけど一応…。一十木音也15歳!趣味はサッカーと歌うこと!改めてよろしく」

「俺は聖川真斗、16だ。趣味はピアノと書道など。よろしく頼む」

「僕は四ノ宮那月、17歳。趣味はお料理です!今度、お近づきの印にケーキ焼きますよ!」

『あ、いや、いいわ…』

「え〜」

せんな可愛く「え〜」って言われてもね!!!!

「次はトキヤだよ〜」

「……私は一ノ瀬トキヤ、Sクラスで16です。」

「…だけ?」

「はい。早く次へいってください」

トキヤは相変わらずだなぁー…。なんて思ったり

「やっと、オレの番か。やあ、レディ。聞いていた以上に美しくてびっくりしたよ。」

『ひっ』



思わず変な声をあげてしまった。何故ならば彼は、私の右手を掴み上げ、手の甲にちゅっとキスを落としたのだ。そして、姫香にも同じようにした。

「オレは神宮寺レン。Sクラスさ。歓迎会なんて抜け出してデートでもしないかい?」

『「だが断る!!」』

「おや、手厳しいね」

見事にハモった私達にパチンとウィンクをしてみせるレン。ごめん神宮寺さん、鳥肌止まらないっす。



「次は俺様な。俺様の名前は来栖翔!!翔さまと呼べ!因みにSクラスだ」



『可愛い!!』

「な…っ!」



さっきから翔ちゃんをみる度に抱き締めたいとゆう衝動に駆られそれを今、私は実現した。可愛いんだもん。

「は な せ よ っ!!」

『ああ、ごめん。小さくて可愛かったから…』

「小さい言うな!!てゆうか、俺よりお前のが小さいだろうが!!」

『てめぇ!気にしてる事を…!』

「それは俺も同じだ!!」

『……。』

「……。」

『…仲良くなれそうだな』

「…おう」



初対面同士で喧嘩になりそうだった私はすぐに和解(?)し、ぐっと熱い握手を交わしてニカッと笑いあった。

「あ、私は七海春歌です…!!Aクラスの作曲家コースです!」

『あ、うんっ。同じー!!』

春ちゃんの腕に自分の腕を絡める。何か春ちゃんにくっつくと安心するんだよね。いい香りだし。いい香りだし…。大事な事なので二回言いました。

「あ、あう…」



春ちゃんはそうでもないらしい。

それに、さっきから男性陣の視線が地味に痛いのだが…。自分も視線を向ければ何故か逸らされた。私って視線逸らされやすいのかな?地味に悲しいわぁ。しかもレンとなっちゃん以外、みんな耳が赤い。



『みんな風邪か?顔が赤いぞー。それとも春ちゃんが可愛すぎて…!?ダメだ!春ちゃんはやらんぞ!!!』

「天然恐るべし、ね…」

『うぬ…?』

「あ、そうだった。あたしは渋谷友千香!!Aクラスのアイドルコースで春歌と同じ部屋よ」

「うちと一緒〜」

「そうね、仲良くしましょう」

『わお、友ちゃんセクシー!!』

「ありがとう」



友ちゃんの笑顔きたぁあ!!

美人!美人過ぎるぜ!姫香も美人だけどまた違った良さが…!やっぱアイドルコースだけあってレベル高いぜ



「じゃあ、自己紹介も終わったしケーキ食べようよー。俺、買ってきたんだ」

『おお、音也気が利くねぇ』

「それほどてもないよ。他に食べ物持ってきたから遠慮せずにたべちゃってー」

はにかむ音也、まじ天使。やべ、堪えろ理性。

「そういえば、お二人はSクラス以上の実力をお持ちだと聞いたのですが。」

『え?ああ、そうみたいネ。自分もびっくり』

「他人事ですね…」

『ふははは!悔しいのか?一ノ瀬トキヤ』

「そ、そういうわけでは…。」

『あ、真斗ーそこの肉取ってー』

「ああ、これか。」

『ありがとー』

「構わん」

「優姫ー」

『何、姫香ー。』

「呼んでみただけー」

『なんだよ!』







こうして、合格祝い兼歓迎会は夜中まで行われたのだった。Sクラスのプリンス達とも仲良くなれたし、一石二鳥だ。だけど、今日は色んな事があったな…。トリップして、編入試験とか…

いつ帰れるか分からないけど、とにかく今を楽しもうか!





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一日に色々詰め込み過ぎたww

自分の文章力を恨みますよorz

ちっくしょー!!!

まあ、次もお楽しみに!!!











2012/10/01

編集2012/11/17

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