トリストっ!

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歌唱力試験受けちゃいました!





結構時間かかっちゃったけど、なんとか到着!!学校のレコーディングルームにしては広いし本格的すぎる。中にはまだ誰もいなかったし、興味津々で機材に触ったりしていたらシャイニーの声が聞こえた。



「HAHAHAHAー、聞こえてますかMiss.優姫&Miss.姫香ー」

一体どこから出てくるのかとわくわくしながら周りをキョロキョロしてみる。他の人も神出鬼没な学園長を探してキョロキョロしていた。あ、ダム様はそうでも無い…。というか、姫香のテンションが気になる。「おっおっ!シャイニー!シャイニードコドコ!」等と奇声をあげ勢いよくキョロキョロしてるし…。可哀想に



「OH…!アイムソーリーヒゲソーリー。ミーは、ここにはいないのデッス!」

『え…』

少しだけガッカリだ。それは姫香も同じらしく、がっくしと肩を落としている。いや、それ以上に落ち込んでるかもしれない。

「どうやら、ここに隠しカメラがあるようだ。それでリアルタイムで俺たちを見ているのだな」

「さすがMr.聖川ネ。これからミーも二人の歌唱力試験を見ちゃったりしちゃうのねー」

なるほど。これは尚更頑張らなきゃいけない気がするぞ。そしてダム様物わかりはやーい。なんとなく心で拍手



「そうでしたー、二人の筆記試験見ましたヨー。高得点でびっくりデスー」

「おぉ、すごいじゃん二人ともっ!!」

「本当ですねー、僕も頑張らないとー」

『いやいや、照れますなぁー』

「まぐれですよきっと〜」



ぽりぽりと頭をかいて照れてみる。今の私、きっとキュートに違いない。

「おお、待たせたな」

『龍也さん!!』

「おかえりー」

「おう」

ガチャリと少し重たい音をたてレコーディングルームの扉が開く。顔を出したのは龍也さん。

「って何か人増えたな…。」



3人だったのが6人になって驚いている龍也さん。だが、さすがプロ。すぐに表情を戻す。

『ほら私、人気者だからさ?』

「そういや、さっき学園長の声が聞こえたんだが…」

…無視されちまった…。泣ける

「リューヤさん、聞こえますカー?ミーも二人の歌唱力試験を見学する事にしたのデース」

「…勝手にしろ…。」

『あ、龍也さん。私も歌うの?』

「そうだったな…。だがギターとピアノは今…」

『お、良いところにピアノ発見ー。』

「なっ、いつの間に…っ!」

『シャイニーありがとう!』

「どういたしましてなのネー」

「…はぁ…」



どうしようかと考えていて、ふとブースの中を見れば先ほどは無かったはずのピアノのがぽつんと置かれていた。直感的にシャイニーだと思いお礼を述べたらまさかのどんぴしゃ。龍也さん呆れ気味。

そんな龍也さんを尻目に、姫香に何を歌うかたずねてみる。

「うーん、何がいい?」

『うーん…。ドラえもん!実は弾けるんだぁ』

「却下」

『え〜、じゃあアンパンマン!同じく実は弾けるんだよ!』

「真面目に考えろよ」

『大真面目ですよーだ。あ、じゃあ…』

そっと姫香に近づき耳打ちをする。

「あー…、それがいいかもね」

『オッケー。…あれ?』

姫香から離れ、ふと違和感を覚える。そう、先程より何故かやけに静かなのだ。不思議に思い、みんなを見ると、椅子に腰を落とし、じーっとこちらを見ていた。そんなに見つめられると照れる。



『イケメン、こっち見んな』

「す、すみません!」

『あ、春ちゃんはいいよ!』

「酷いよ優姫ー」

『うっさい音也』

「えぇ!?」

会って馴れ馴れしいと思う人もいると思うが、「みんなフレンドリーでズッ友!!!」が私のモットーなのだからな。だけど思いの外、落ち込む音也が可愛くて笑いなが「嘘だよ」と言えば「あ、えっうん…」と少しあたふたしながら視線を泳がせていた。それをみたなっちゃんと春ちゃんは何故か微笑ましそうにわらっていた。若干ダム様も微笑んでるような…。







-龍也目線-



「よしじゃあ中に入れ。」

俺の言葉と共に騒がしかったレコーディングルームが再び静寂に包まれた。

米崎はピアノのイスに腰を降ろし深呼吸をしていた。一方桜井はマイクの前に立ち、瞳を閉じている。

『準備okー』

「こっちもok。いつも通りで大丈夫だから」

『うんっ』

しばらくすると、中からそんな会話が聞こえる。

正直驚いた。さっきまであんな能天気そうな二人だったのが、ブースに入った瞬間、顔つきが変わった。もう、プロのような表情だ。こいつらなら余裕で合格出来る。そんな予感がする。

『いくよ』

「うん」



〜♪

掛け声に桜井が返事したと同時に米崎は鍵盤を勢いよく叩く。メロディを奏でた瞬間、何故か心が震えた。最初からあんな高度な前奏…。しばらくすると桜井が歌い出す。喋り声とは違う高く綺麗な声音が演奏とマッチしている。一言で言うと心を踊らすような曲。時々米崎のハモりが入り一層綺麗な感じになる。

これは、想像を上回るくらい上手い。このままプロでも通用する程だ。思わず感嘆の声が漏れる。

「ほぅ…」



〜♪

「すごいです…。」

「うん…、なんかすっげぇ楽しくなる!」

「想像以上だな…。」

「思わず聞き入っちゃいますねぇ」

他の奴等もポツリポツリと感想を述べていた。技術だけではなく、二人は音楽を心から愛していると言っているようにとても楽しそうに見える。学園長からも、ときどき感嘆の声が聞こえた。ただ、一つ疑問に思ったのは聴いたことがない曲だった事だ。歌唱力や、技術を調べる時、どのやつもメジャーな人等の曲を用いるものだ。

もしかして、作った…のか?



〜♪…



「…ふう」

『終わったぁー』

「やっぱ楽しいわぁ」

『お、同じ事思ってた!』

「…。」

「…あれ、龍也さんー?」

『どうでしたかィ?』



気が付いたら二人は歌い終わってしまっていた。米崎に顔を覗きこまれハッとする。てか、ちけぇよ…。とにかく結果を言わねぇとな。持っていた2枚の紙に二人の名前をそれぞれに書き、クラスを表記する。それを二人に手渡した。

「ああ、完璧だ。余裕でSだな。んで、早乙女学園編入決定だ」

―――本当はS以上の才能だが…。

『おぉ、Sっ!!まじすか!』

「ありがとうございますっ!」

「ああ。さっきの曲は作ったのか?」

『あ、うん。私が作曲して』

「うちが作詞したー」

「そうか(やっぱり…)」

『て、あれ?』

「どうしたぁ?優姫」

『龍也さん、クラスの部分Xクラスってなってますよー。なに?えっくすくらすって』

「あ、ホントだ」

「それだがな、二人の才能はSクラス以上だ。いつでもプロとして活動できる。だが、この学園にはSクラスまでしかない。」

『?』

「つまり、Sクラス以上の勉強がしたかったらいつでも俺や他の教師から特別授業も受けれる。それか今すぐにでも仕事が出来るわけだ」

『ええっ!?』

「うちらそんな凄いの!?」

「そうだ。まあ、Xクラスレベルになった奴はお前らが初めてだ。」

「お、おうふ…」

ここで会話が途切れ、いままで静かに聞いていた後ろの奴等が二人に近づき祝福の言葉を浴びせ始めた。

「でも、俺二人と同じクラスが良かったなぁ」

「…それは同感だな。だが少なくとも二人は俺達よりかなり才能があると言うことだ。」

「すごいですぅ〜!でも僕も同じクラスが良かったです」

「はい、残念です…。って失礼ですよね!すいません私…」

『みんな…』

「うちもAが良かったぁ」

「HAHAHA!HAHAHAのHA!YOU達、Meの事をお忘れデスネー?」

「げっ、社長…」

「ベリーオケー!YOU達は、明日からAクラスの一員デース!!Miss.七海Mr.一十木Mr.聖川Mr.四ノ宮、二人をよろしくしマースッ」

『「!」』

「はっ!?」

完全にやつの存在を忘れていた。そして急にまた出てきたと思ったらそんな簡単に…。社長も二人の才能を分かっているはずだ。なのに何故、わざわざAクラスに…



「「「はいっ!」」」

『ありがとうシャイニー!!!』

「どういたしましてなのネ。じゃあ、また明日から頑張ってチョウダイ!」

「はぁ…」



まあ、社長が言うなら仕方ない…。だが、何か少しもやもやする。何なんだよ…。

「チッ」

訳も分からず俺は舌打ちをした。誰にも聞かれる事もなく…。



-???目線-





ふと、レコーディングルームから聴こえたメロディ。美しさのあまり、そこで足を止めてしまう。



「…一体誰が歌っているのでしょう…」

歌が終わり、一つの疑問を浮かべながらも再び足を進める。

「いつか…会いたいですね…。」







(リューヤ!何イライラしてるのよっ)

(してねぇよ)

(してるわよっ。あ、もしかしてユウちゃん達の担任になれなくて悔しいのかしらん?)

(ちげぇよっ)

(そう?まあ、二人は私が可愛がるから安心して!)

(…チッ)

(いやん、リューヤ怖いぃ〜)

―――――――――





最後の人、誰なんでしょうねー←

Sクラスのメンバー、いつ出るんだ!

それは私にも分からないのだ!

気長にお待ちくだい!orz







2012/09/30

編集2012/11/16

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