短編

□温もりを感じて
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久々のオフ、今日は音也の部屋に遊びに来た
音也の部屋にはあるものが置いてある
私の部屋にない、冬といえば、そう、あれ!!!!

「こたつうぅぅぅぅ!!!!」

「なまえってば俺よりこたつがいいの!?」

少し膨らんだ彼の顔を両手で挟みながら言う

「そんなこと言ってないでしょっ」

「っ…なまえの手冷たいっ!!」

「だから私にはこたつが必要なのっ」

「わかったよ〜…」

私の手の冷たさにやられたのか、少ししゅんとしながらもこたつにもぐりこんでくる音也
机に顔を乗せながらこたつの温かさにほっこりしていると、なんだか足がくすぐったい気がする
布団を捲って中を覗くと、音也が私の足に自分の足を絡めていた

「ちょっ…何してんのっ」

「こうした方があったかいでしょ!!」

「やだ、そこまでやると熱い」

「えーこのくらいいいじゃん」

「もう、仕方ないなぁ…」

「やったあ!なまえありがとっ!!」

こんなことで喜んでいる彼に微笑ましい気持ちになる



「あ、そういえば…」

微かな記憶を頼りにテレビのチャンネルを変えていく

「やってるかな…あ、これだっ」

「ん?この番組…」

「そう、音也が出てるやつだよ!」

画面に映る隣にいる彼
音也の持ち前の明るさもあってか、メンバーの中ではバラエティ番組に多く出演しているようだ
画面の中の彼はキラキラと輝いていて、アイドルとして本当に立派にやっていると思う
それでもまだ新人なんだけど。


二人で笑いながら見ていたが、ふと思う
彼は遠い存在になってしまったんじゃないかと

作曲家としてまだまだ未熟な私
アイドルとして輝く彼
こんな気持ちになるのは初めてで、なんだか置いて行かれたような気がした

「なまえどうしたのっ!?」

「っ…な、なんでもないよっ」

強がってはみたものの、溢れるものは抑えられない

「なんでもないって、泣いてるのに?」

「だって…」

ふと、彼に抱き締められる

「ゆっくりでいいから話してみて?」

背中をぽんぽんと、落ち着くように撫でてくれる。そんな彼の優しさにさらに涙が出そうになったが、どうにかしてこらえた

「私、まだまだだなぁって、思ったの」

「そんなことないよ」

「うぅん、音也のキラキラしてるとこ見てそう思った

 みんな前に進んでて、私だけ置いてかれたみたいで

 すごく悔しくって…っ」

あぁ、また涙が出そうになる
ずずっと鼻をすすると、目の前に彼の顔があって何とも言えない気持ちに陥る
それでも真剣な表情をした彼にいつもの茶化すようなことはできない

「なまえ、みんなも同じ気持ちだよ」

「みんな…?」

「そう、俺もトキヤも他のみんなも」

ちゅっと触れるだけのキスをして彼は続ける


「誰でも悩む時って来るんだよ!それが遅いか早いかの違いなだけでっ」

言われてみれば、音也も同じ悩みを持っていた時期があった


「なまえには俺がいる、
 
 二人で歩いてるんだからどっちかが先に居たら

 もう一人を引っ張ってあげればいいんだよ!!」

「音也…」

「ほら、手出して?」

ぎゅっと繋がれた手は温かくて彼が近くにいるんだと感じさせられた

「ありがとうっ…!」

いつもどこか抜けてて、バカばかりしてると思ってた彼がこんなにも頼もしかったなんて…優しくて強いその瞳にドキドキしてしまう

「なまえにしかこんなこと言わないよ」

抱きしめられて密着した箇所から伝わる温もりが、悩みを溶かしてくれる
あぁ、彼が居てくれて本当によかった

「大好き」

「俺は愛してるよ…んっ」

「ん…はぁっ、音也…」

「ねぇ、今日はずっと抱きしめてていい?」

「うん…//」

どうやら完全に彼のペースに呑みこまれたらしい
いつもならふざけて返せるのに

「なまえすっげぇ可愛い…」

「お…とや、」

「もっと俺だけを感じて?」




音也は熱いくらいに温もりをくれた


(そんな彼が大好きです)







**あとがき**
甘甘・・・!?
うん、どうなのかなコレ
でも残念な音也を卒業して
ちょっと大人な音也さんにしました!!
なってたらいいな…!
そして音佳さんに相互記念に贈呈します☆
(今更とかほんとすいません><)
音佳さんのみお持ち帰りくださいっ

2013.01.05

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