短編

□Aクラス
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『トリックオアトリートメント!!!』



私は、笑顔で手を差し出しそう言うが、みんなはどうしたんだ?とポカーンとしている。まあ、今日はあれですよ。お菓子くれないとイタズラしちゃうぞ的なアレ。そう、ハロウィンです!!お菓子が大好きな私が便乗しないワケがない。



「急にどうしたの?」



最初に口を開いたのは音也だった。







『今日、ハロウィン。だからトリックオアトリートメント』

「なるほど…。なまえちゃんはTRICKorTREATって言いたいんですね!」

『うん!さすがなっちゃん!!』



物分かりが早いなっちゃんに感心しつつ、相変わらず無言な真斗をターゲットにしてみる。



『真斗、トリックオアトリートメント!!』

「と、とりっくおあとりーととは何だ…?」

そうか、坊っちゃんな真斗にはハロウィン自体が分からないのだな。そうかそうか。ならば優しいなまえ様が教えてあげようではないか



『真斗、TRICKorTREATとはね…、お菓子をくれないと性的な意味で悪戯しちゃうぞって意味で、10月の最後にそうゆう儀式的なのがあるんだよ。だから、この日に処女&童貞を卒業しちゃう人がたくさんいるんです。すごいよね?因みに真斗はお菓子もってないみたいだから今夜私に真斗のちんk…』

「ストップストップー!!!」





真斗に説明していたら、真っ赤な顔の音也が続きは言わせまいと、両手を広げ制止する。対する真斗の方も真っ赤な顔をして呆けていた。さすが、純情ボーイ。なっちゃんなんて変わらずニコニコしているのに。



「何その、子供の夢を壊すような説明は!?」

『いいじゃん。つべこべ言わずにさっさとお菓子出せや。』

「な、ないよ…」

『そうか。よし、じゃあ今夜部屋で待ってるぞ。』

「どうゆう事!?」





『なっちゃん、トリックオアトリートメント!』



慌てる音也をシカトして次はなっちゃんに投げ掛ける。すると、「なまえちゃんならそう言うと思ったんで…」と言いながら鞄の中を漁っている。どんなお菓子が出るかな?とwktkしていたら、目の前に現れたのは…どす黒い色(というか毒々しい色)をした物体。まさかと思い、質問してみる。



『なっちゃん…、これは手作りですか…?』

「はい!!なまえちゃんの為に作りました!遠慮せずに食べちゃって下さい!」



やっぱりか!!どうするか自分!これを食べれば命はないぞ…。だが、食べなければ二度となっちゃんのこの笑顔が見れないかもしれない…!!



『あ、ありがとう…。お部屋に帰ったら食べるよ…』



取り敢えず濁しておく。



「あ、なまえちゃん!実はこれも作りました!!」



そう言って差し出されたのは



『め、メイド服…?』



スカートの丈は、おパンティが見えそうな程短く、上なんてへそ出し+胸がぼがぼなメイド服。

「はい!!ハロウィンと言ったら仮装だと思ったんで!きっとなまえちゃんに似合いますよ!今すぐ着てください!」

『ふざけんな。着るわけないだろ。』

「じゃあ、今すぐ僕のお菓子食べてください。それとも悪戯の方がいいですか?」

『着ます。』





鬼畜なっちゃんこえぇえぇ!!

ていうか、それ仮装と言うより、キチガイなコスプレだから!

天然鬼畜なっちゃんに負け、渋々メイド服を着る。布面積少なすぎです。寒いし恥ずかし過ぎるわこれ。てゆうか、それ以前にサイズぴったりなのが怖いんだが。取り敢えず、Aクラス面々にお披露目。



「ちょ、なにそれエロい…!!下半身にくる…!」

『黙れ犬。』

「え!?」

「そのだな、なまえ…。婦女子たるもの、肌の露出は控えるべきだと…」

『出来るなら私もそうしたいです。』

「なまえちゃん、超超可愛いです!!」

『熱いハグをありがとう、なっちゃん』





神様、私もう泣きたいです。

こうなったら開き直るしかない。そう思い、キッと顔をあげ、真斗に目をむける。一緒ビクッとするが気にしない。



「ま、まあそう怒るな…。」

『起こってませんけど?』

「ほら、お菓子だ。受けとれ」

『お菓子!?』



お菓子と言われ、一気に機嫌が直る私って単純?

だが、真斗から受け取ったのは…









酢昆布。









もう、突っ込む気分にもなれません。



『…音也…』

「な、なに!?」

『トリックオアトリートメント。お菓子くれないとトリートメントしちゃうぞ。』

「うぅ…っ(どうしよう…。お菓子本当にないんだよな…)」

『音也の口からイチゴの香りがする。飴を持ってるのは分かっているのだよ。』

「あ…(今のが最後だ…。)」

『早く!お菓子!!!』

「ま、待って!(こうなったら…)」



完全に困っている音也。まあ、お菓子を持ってないのは知ってるをだけど音也のこんな表情をみてると楽しいからさ。

なんて思っていたら、急に腕を引かれ、唇に柔らかい何かが触れた。そして口の中にコロンと音がした瞬間イチゴの甘い味と香りが広がる。



『んんーっ!?』

「ご、ごめん!これが最後だったから…」



『ぷはっ、〜〜〜…っ!何すんだ、このバカ音也ぁあぁ!!』

「痛っ!」





飴をちょうだいとは言ったが、口に入ってるのをくれとは言ってない…!!勝手な事をする奴には必殺、なまえサンダートルネードダヴィンチダムパンチをお見舞いだ!!!



『はっ!痛いだろう!!お主がしでかした罪を後悔するがよい!!!!ふはははは!』







そう言って、私はここにいるのはヤバイと思いAクラス教室をでたのだった。…やっぱ、音也殺した方が良かったかな。なんて思いながら口の中の飴を噛み砕いた。











(一十木、何故あのような事を…)

(だってあれが最後だったから…。あ、もしかしてマサがしたかった?)

(そ、そんなわけないだろう!!)

(僕はしたかったです。音也くんズルいですよ〜)

―――――――――







Aクラスハロウィンの様子です!!!プリンス達ではなく、夢主ちゃんが仮装しましたね〜。期待外れだった方、すみませんっ!!(土下座)

では、Sクラスに続きます!!







2012/10/18

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