短編
□笑う門には福きたる
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ある晴れた平和な日のこと。
『真斗とトキヤとレンって笑わないよねー』
「何だ急に。それに俺は普通に笑うぞ。ましてや神宮寺なんか…」
ふと疑問に思った事を口にした。
『いや違くてー、こう…にかっ!と…』
「そうだな…、そうゆうのは性にあわんのでな。考えてみろ、俺がニカッと笑っているのを。気持ち悪いだろう」
そう言われ想像してみたが、何故か目元だけモザイクがかかってしまう。
『うーん…っ。想像出来ない…』
「そうか…」
『もう、この際だからにかってしてみようよ!ついでにあの二人も!』
「な、なまえ!?」
ばっと立ち上がりいざSクラスへと!!
―――ガラッ
『おじゃっしゃーすっ!!』
「おお、なまえじゃん。」
『あ、翔ちゃんこんちくびー』
「相変わらず女じゃねぇな…お前」
『せやろ。』
「……で、Sクラスに何の用なんだ?」
おっと、そうだった。
『んとね、ぼちのせさんとへんたいじさんいますか?』
「誰がぼちのせですか」
「へんたいじなんて酷いなぁレディ」
後ろから聞こえた声。
振り向くと、いつもと変わらないレンと眉間にしわを寄せたトキヤがいた。……しわ残りそう。
『まあまあ、広い心で受け止めてよ。』
はあ…っとトキヤがため息をついたのは見なかった事に
『あのね、お願いがあるんだけど』
「お願い?オレに出来る事なら何でもするよレディ」
おお、さすがレン!
「お断りします。」
『まだ何も言ってないじゃん!!』
「どうせ下らないお願いでしょう」
『そうだけど、聞いてくれたっていいじゃん!!だからぼちのせって言われるんだよ!』
「な…っ!そ、それは関係ないでしょう!てゆうか、言われてませんよ!!」
「お前らなあ…」
「ノッカーウ☆」
「一ノ瀬、まあ聞いてやってくれ」
「聖川さんまで…。はあ…、仕方ないので聞いてあげますよ…」
上から目線なのが腹立つが、とりあえずわけを話してみた。
「…」
「…」
「本当くだらないですね…」
『うざっ!』
ホント上からな奴だな!
『いいから、にかってしてよ!ほら、HAYATOスマイル〜』
ばしっ
『いったぁあぁ』
こいつ、叩きやがったぞ!か弱い乙女にサイテー!うんこ!
『真斗!トップバッターでにかっ!!』
「な…。む、無理に決まってるだろう」
『さおとめろんぱん…(ボソ』
「やろう」
ちょろいなオイ!!!
あと二人…
『レンはやってくれる?』
「少し抵抗があるが、レディのためならね」
『さすが!!』
…
『とぉきぃやぁ』
「何ですか…」
『やってくれるよねぇー?』
「嫌です」
『チッ』
どうすれば…。あ、
『校内放送でトキヤは実はHAYA「喜んでやりましょう」
勝った☆
『よーしじゃあ、3.2.1でニカッね!!キラッ☆のポーズ付きでお願いー。あ、ついでに翔ちゃんも入ってー』
「俺はついでかよっ!!」
『はいはいー、いくよ―』
『3ー2ー1ー…』
――にかっ(キラッ☆)
『うわぁ…』
「うわぁって何ですか!」
いやー…、これはファンには見せられないぞ。なんか、モザイクかけた方がいいかも…
端でやってた翔ちゃんが天使にみえる。その他、何かホラーだよ!なんて言うか………言葉に出来ないくらい気持ち悪いです。
「なまえ!ど、どうだっただろうか」
真斗…そんなキラキラしながら言われても…。
『アンナ笑顔ノ真斗モ良カッタヨ』
「そうか!では、これからはあの笑顔で…」
『ありのままのあなたでいてください。』
「あなたがやれと言ったからやったと言うのに、こんな反応だなんて」
『いやー、ホント申し訳ないです。後悔してます』
「オレは結構イケてたと思うけどな」
『ソウデスカ、神宮寺サン。』
「み、みんなカッコヨカッタヨ…。おっと、春歌からテレパシーを受け取ったのでここら辺で――。」
逃げるが勝ちだ!!
しかし、あんな顔を見てしまったからしばらく気まずいな…。直視できない…。いや、見たら絶対爆笑しちゃうな。
はあ…、明日からどうしよう。
(やべ…俺も3人のあれ、ツボったかも…)
(翔ちゃんも?私、会うたびに笑いが込み上げて…)
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みんなの満面の笑み、見てみたいですねー。『にかっ』が似合うのは、やっぱりサッカー組です!!あの二人は天使ですよ←
2012/09/23