短編

□指きり
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音也の貴重な休みの日。

会えない分、一緒にいられる時間が一秒一秒惜しい。

今日は二人で動物園へ行く予定だったが晴れてた空が徐々に曇り、最終的に大雨になり行けなくなってしまった。

そして、今は私の家でのんびりしている。











『雨スゴい』

「ホントだ…、動物園行きたかったね」

『うん。まあでも、こうして音也と触れ合えるなら別にいいや』



そう言いながら、私ははにかんで見せた。

すると音也は少し寂しそうな顔をしたがすぐに表情を戻す。





「なまえ、俺すっげぇ会いたかった」

『うん』

「仕事してる時もずっとなまえの事考えてたよ」

『ふふ、そんなに?』

「ホントだよ?」

『私も会いたかった。音也、また一段とカッコよくなったね』

「そうかな?」



動物園に行けなくなった時はショックだったけど、今はそんな事どうでもよくなってしまった。







「ねえなまえ、キスしたい」



『…男なら、聞かずにしなさいよ。それにそんな風に言われたらこっちが恥ずかしいんだからっ』



「ごめんごめん」



『もう…』











音也の整った顔がゆっくり近づき、二人の唇が重なった。最初は触れるだけのキス



『………っん』

「…っ」



キスは徐々に深く濃厚なものに。

久しぶりの音也の香り、体温。それだけで頭がクラクラしてしまう







唇が離れると、音也が私の手をぎゅっと握ってくる。





「俺、怖いんだ。俺はすごくなまえの事好きだけど、いつかなまえが俺に愛想尽かしてどこか行っちゃうんじゃないかって」

『どうして急に?』

「分かんない…」



ぎゅっと音也の手を握り返す。



『どこにも行かないよ。私はずっと音也が好きだし、音也が私と別れたいって言っても離さないよ』





「そっか…、……。」

『…?』





急に黙り込む。









「俺、まだこんな子供だけどいつか一人前になったら、さ…俺と結婚してくれる?」



そう言いながらポケットからそっと指輪を取り出した。





『……!当たり前でしょ!何年でも何十年でも待つよ!』



「ありがとう、でもそんなに待たせないよ」

『頼もしい。約束よ?』

「うん」

『じゃあ、はい』





ぴっと空いている手の小指を音也に向ける。一瞬驚いた顔をしたが、ふっと微笑んで小指を絡めてくれた。





『指切りげんまん嘘ついたら針千本のーますっ指切った!』



もしかしたら、私今人生で一番幸せかもしれない。

そう思うくらいの甘くて優しい指きりだった。









「なまえ、愛してるよ!」

『私もっ』










あとがき→

―――――――――――







甘な小説が書きたかったんだ。

甘くなってる!?ねえ、なってる!?

やっぱ土下座した方がいい!?





(Orz三





2012/10/02

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