長編

□見上げた空 3章
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総司がいなくなってから…


一年もの月日が流れた



今だに総司は見付かっていない。


仕事への疲労と共に

俺は息抜きのつもりで甘味屋に向かった


しかし…




「総…司」


俺の向かった甘味屋には一年もの間ずっと恋い焦がれた総司がいた


けれど今の総司は長く伸びた髪を後ろに高く一本で結んで服装もちゃんとした袴を来ていた。
だがその目立つ容姿は変わらない



「総司っ…総司!!」

「ッ!」


驚いた総司はおもむろに立ち上がり

逃げるように走り出した。


昔から足が早かった俺はすぐに追いつき

総司の手首を引いた



「…」

「…」


「総「誰ですか?貴方、私は貴方の様な方知りません。」


…ー逃げてー…

そう、総司の口が動いた。…気がした


「久しいな、土方」


「ッ風間!!」


そこには俺達新撰組の敵、風間がいた


「俺の妻に手を出さないで貰おう」

…妻、だと?


「…どういうことだ」

「そのまんまの意味だ。総司は俺の妻だ」


「…」

「総司…説明してくれ」

「赤の他人に説明できるほど私はお人よしではありません。」


こんなに丁寧な口調にもなりやがって…



「ー…新撰組副長、土方歳三さん…ー」


そういった総司があまりに綺麗で思わず息をのむ



ー…さよなら



ザッ…と強い風が吹いて目をつぶる


次に目を開けた時には総司と風間は消えていた






総司





やっと






やっと










みつけた





続く

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