翡翠の誘惑
□貴方とのひと時(島→沖)
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私は、いや、私と沖田組長は今沖田組長の部屋にて甘味を頂いていた。
「沖田組長、ほんとに良いのですか?…こんなに甘味を沢山頂いていてしまって」
「いいのいいの〜、食べ切れないしそれに一人で食べてもつまんないしね」
「で、ですが私なんかと…他の方を誘ったほうが」
「島田さんは甘い物大好きだし。僕みたいな甘党は幹部で平助ぐらいしかいないしね〜、しかも肝心の平助は江戸に行ってるし、待ってたら腐っちゃうよ」
「そ、そうですか…ありがとうございます」
「じゃあ食べよっか!」
「はい!」
私の前には沢山の甘味が並んでる
饅頭やこんぺいとう、団子に最中
どれも私の大好きな物ばかりだ
沖田組長はこんぺいとうをちょっとずつ食べている
「…沖田組長はこんぺいとう以外にお召し上がらないのですか?」
「ん?あぁ、僕はこんぺいとうだけで十分。饅頭とかお腹いっぱいになっちゃうし夕餉が入らなくなっちゃうよ」
「そうですか…しかし何故こんなに」
「……一緒に食べたかったの」
「え?」
いまなんと?
「…島田さんと一緒に、お菓子、食べたかったの!」
「ッ!……沖田組長///」
「島田さんって兄上みたいなんだもん」
… 失望
私は沖田組長にとっては兄上なのか…
そうなのか…
思わずガッカリうなだれる
すると
「島田さん?どうしたんですか?、ほら、いっぱぁい食べてください。」
沖田組長が満面の笑みで団子を口元に持ってくる
一瞬その笑顔に見惚れた…。
怖ず怖ずとそれを口に含めば
ふわりと広がる甘い味
しかし
その団子より甘いのは
貴方とのひと時…
End…