翡翠の誘惑
□『君のその瞳が好き』(土沖)
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それはある日の出来事、
「総司、お前その目の色…」
「ん?あぁ、カラコン。可愛いでしょ」
沖田の瞳は紫になっていた。
すると土方はとたんに険しい顔になり、こういった
「…外せ」
「……え…これ似合いませんか?」
「似合わねえ、全く似合わねえよ。だから外せ」
「っ…」
流石に恋人である土方に言われたら沖田は堪える。
泣きそうな程に顔を歪めた。
「ハァ、そんな顔するんじゃねえ。とりあえず外せ。」
「…………はい」
土方は怖ず怖ずとカラコンを外す沖田をじっと見つめた
…
「外しましたけど…満足ですか?」
溜息混じりに沖田がいうと土方はニカッと笑った。
「あぁ、満足だ」
…
「なんでさっきのカラコン嫌なんですか。僕は似合ってると思うけどなぁ」
「自分でいうんじゃねえ。全く似合わなかったぞ。」
「っもう!少しぐらい褒めてくれたっていいじゃない!!」
すると土方はニヤッと笑い沖田の顎を掴んだ
「あぁ褒めてやるぜ」
「…え」
「お前の瞳は綺麗だ。純粋で強い意志が篭っている。」
「…」
「その綺麗な翡翠をカラコンなんかで汚すんじゃねえよ」
「土方さん…」
「俺はお前のその瞳が好きなんだよ。もうカラコンするんじゃねえ」
「でも…」
「でも?」
「このカラコン、土方さんの瞳と同じ色だって気付きませんでした?」
「ッいや」
「鈍いなぁ、……僕は、土方さんとお揃いでいたいからこの色にしたんです」
「総司………じゃあ俺が緑のカラコン付ければ「駄目です!!!」
沖田は顔を真っ赤にさせた
「僕は…貴方のその瞳が好きなんです!カラコンなんかで汚さないで下さい!!」
「…」
「…」
「プッ…」
「…ふふっ」
そして二人はそれはそれは幸せそうに微笑み合った
『君のその瞳が好き』
End…