お題置き場

□抱きしめた存在の儚さに涙
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抱きしめた存在の儚さに涙



「ごほっ、ごほっ…」

咳き込む総司の背中を優しくさする

総司は"ありがとうございます。でも…もう大丈夫ですから"
と言った

"気にすんな"

と言い、総司の背中をより強くさすると総司は苦笑いを浮かべた


「…眠くなってきちゃったな」

さすっている内に心地よくなったのか、総司は布団に身体を沈める

「ずっとこうしてるから、寝ろ」

俺も横になり、
総司の背中をさすり始めた

「うん、ここにいて」
「…あぁ」

背中に続いてふわふわの髪を撫でると、
クスクスと笑いだした

「おやすみ」
「おやすみ…」

満足気な総司が眠りにつく

背中を向けてる総司は何故か小さく見えて、
いつか消えてしまいそうで…俺は総司を後ろから抱きしめた

前に比べて随分細くなった

肋まで出てしまうのではないか

背骨に頭を密着させる


あぁ…なんでこんなに醜いのだろう
抱きしめた身体は細くて
離してしまったら何処かへ行ってしまいそうで

ジワリと目の緑が熱くなるのを感じる
「何処にも行くな…」

眠りについただろう総司の耳元でそう呟いた



『抱きしめた存在の儚さに涙』
(どうか…)
(早く目覚めて)




End…


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