お題置き場

□壊れかけの笑顔
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壊れかけの笑顔

「僕は大丈夫ですから」

「心配しないで」

「僕に構わないで」


薄い唇は綺麗な形で

その唇はゆっくりと笑みを飾る。

翡翠の瞳は何処か虚ろで、
まるで何も見えてないよう…

「大丈夫な訳ねえだろ…」

近づくと、総司はひゅっと息を吸った

「僕は大丈夫、大丈夫だから、大丈夫…大丈夫」

嘘つけ
ほんとは大丈夫じゃねえだろ

「だったらさっさと回復して心配させんな」

言い方はキツイがこれは俺の愛情表現

「うん…わかった」

ニッコリと微笑む総司の顔を


俺は初めて見たくないと思った。

「そんな顔すんじゃねえ」

総司をそっと抱きしめる



「そんな顔って…僕は元からこんな顔です」
総司は笑う

笑う

「頼むから…そんな顔俺に見せるんじゃねえよ」

お前はもっと笑えるだろ?

こんな顔じゃなくて


もっともっと綺麗に笑えるだろ?

なんでそんな悲しそうに笑うんだ


いつものように可愛く笑えよ

壊れてしまいそうで…

崩れてしまいそうで…

何もかも失ってしまいそうな笑顔はやめてくれ

「わかりました」

総司は俺の胸に顔を埋める

「もう

泣きそうな顔で笑うんじゃねえよ…」
「…はい」

少し声を震わす
総司に
俺こそ泣きそうになった。



『壊れかけの笑顔』
(いつになったら)
("笑ってくれる?")


End…

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