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□本名、異名。
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つい先日、時臣の親戚たる女が屋敷にやってきた





だがあの雑種…



「おい、雑種」


『……』


「雑種」


『……』


「雑種!!」


『……』


「雑種ううううう」


『……』


はぁはぁ…

余りにも無視するので叫んでしまったではないか…


「……この雑種が…」


『……』


「王たる我を無視するのは万死に値するぞ雑種っ!!」


ビシッと指を突きたて言う


だが、


『……』


な、何故、これほどまでに無視を貫き通すのだ…


「どうしたのですか?王」


『時臣…!』


「この雑種、王たる我を無視するのだ。
躾がなってないぞ時臣」


「それは申し訳ありません王

アヤカ」


『っ……はい…』


ピクっと身体を震わして返事を返すアヤカ


「何故、王を無視するのかな?」


『だって、』


そして俯いて黙り込む


「……」


「む、何だ」


愛おしむ様にアヤカの頭を撫で此方を凝視する時臣


「いえ、」


「絶対何かあるだろう。

そこの雑種が何か話したのか?」


またピクリと反応するアヤカ


『私は、』


「何だ雑種」


『私は雑種じゃないっ!お前こそ雑種だろうがっ!!』


「は……」


『古代メソポタミアのシュメール初期に存在していた人類最古の王。リラの息子だがなんだかで3分の2が神で3分の1が人間と言われている。


全然純血じゃないじゃないっ!

それを雑種雑種雑種雑種雑種雑種雑種雑種雑種、私は雑種という名じゃないっ!!』


「…っの雑種」


『私はアヤカ、山口アヤカという立派な名前があるのよっ』


「………ククッフハハハハハ」


『なっなに』


っはぁ

要するこの雑種は我に名前を呼んでほしいということか


「良い、良いぞ雑種、いや、アヤカだったか」


『!?』


「時臣、この世界に寵愛に値するモノを見つけた、どうやら無駄足ではなかったようだ」


「それは良かったです王よ」



本名、異名。


(フン、貴方なんか興味ないわっ)
(では何故、我の事を調べたのだ?)
(っ……///)
(よいよいもっと我を愉しませてくれ)
(っ別に貴方なんか…)



ツンデレヒロインちゃん。

が書きたかった筈だった……
 

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