T&B

□ニート始めました
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「ソイラテMとチリドッグ」

「カプチーノMとプレーン」

そちらの台で少々お待ち下さい。

トレイを並べて、焼き上がるドッグを待つ。

「辛いの苦手でしたっけ」

折紙が何となく呟いた。

「先輩は、苦いのダメそうですね」

バニーも何となく呟いた。

「吸いましたっけ?」
「いえ」
「じゃ、二階行きましょう」

螺旋階段を上って、窓際のカウンターテーブルに並んで座った。

「で、何か候補はあるんですか?」

折紙が座りながら切り出した。

「あるんですが、・・・大丈夫かなって」

トレイをテーブルに置き、バニーも座る。

「どんなのですか?」

「バーテンとか・・」

折紙と視線を合わせず、若干言いにくそうにしながら鞄を探る。

「似合いますね」

「でも、今までヒーローしかやったことないんで・・・どうかなと。」

「ああ、バーナビーさん浮きそうですよね。つか扱いにくそうー(笑)」

「先輩」

鞄から求人誌を取り出し、折紙を軽く睨んで付箋のページを開いた

「初心者歓迎、学生さん応援、土日働ける方優遇」

「バーナビーさん26ですよね」

「微妙・・・ですよね」

「行けなくも無いと思いますけど、もっとフリーター向けのがいいんじゃないですか?」

「フリーター・・・。」

「とりあえずフリーターですよね。それとも正社員狙います?」

「。」

「次候補は」

バーナビーに時間を与えるべく、折紙はチリドッグをかじる。

「手始めに、牛丼屋もいいかと思ったんですが・・・」

「面白そうですよね。牛丼屋。たしか賄いで一食タダだったかな?割り引きだったかな?」

「カウンターに僕が居ても大丈夫ですかね」

「無理っしょ」

「・・・ですよね。」

「キャラクターに無理の無いの選びましょうよ。ホストは?」

「いきなり叩き落とさないで下さい。」

「タレントなんて紙一重ですよ?」

「絶対稼げる自信はありますが、絶対嫌です」

折紙は若干冷めたチリドッグをかじり、ソイラテで流した。

「うん、タイガーさんも嫌がるだろうね」

めんどくさい。けど面白いからいいや。そんなことを考えながらバーナビーをつつく

「後は・・・塾の講師、家庭教師」

「家庭教師がいいんじゃないですか?」

「そう思います?」

「生徒とマンツーマンで、協調性必要無さそうだし、バーナビーさん向きですよ」

「先輩」

「あ、それこそヒーローアカデミーは?」

「少しヒーローから離れてみたいんです」

「難しいなー」

二人でコーヒーを口に運んだ。

「折紙先輩なら、何やってみます?」

「んー、ジャパニーズ雑貨屋とか」

「間違いなく合いますね」

「バーナビーさんの方が何でも出来そうなのに、何かめんどくさいね」

「人生仇討ちしか考えてなかったですからね・・・」

「うわあダメだよ暗くなるから。はい禁句」

両腕で×を作って見栄を切る
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