SHORT

□リセットボタンで最初から
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夜中にも関わらず、電気すら点けずに暗闇の中で二人の人物が沈黙を保っていた。


一人は京楽春水。


一人は彼の恋人、伊勢七緒だ。


「七緒ちゃん?」


京楽は静かに呟き、七緒に近寄った。


しかし、七緒は無言で京楽と距離をとる。


これを繰り返して、もう一刻になる。


気の長い京楽も少し顔が引き攣る。


京楽に背を向けている七緒は気づく由もない。


京楽は霊圧を消し、七緒の後ろへ距離をつめる。


七緒は気づかない。


京楽はそのまま七緒をベッドへ押し倒した。


流石の七緒も少し驚いていたが、直ぐに冷たい視線を京楽へ向けた。


「まだ怒ってるのかい?」


「当たり前です。
他の方とキスをなさったんですから。
私の事は放っておいてください」


事が起こったのは二時間前。


いつもの様に就寝時間を過ぎても帰らぬ京楽を探していた七緒。


その時に京楽と女のキスを目の当たりにしたのだ。


当然七緒は怒り、京楽を拒んだが、京楽は納得せず、今に至る。


「誤解なんだよ、七緒ちゃん」


「何ッ……!」


七緒の言葉は京楽の唇によって遮られる。


キスは毎日のようにしているが、いつも触れるだけの浅いキスだ。


だが、今日は違った。


何かを訴えるように激しく、力強い。


京楽が唇を離すと、七緒の瞳から一粒の涙が零れ落ちた。


「バカ……。
京楽隊長……ッ!」


七緒は京楽の首に腕を回し、胸に顔を埋める。


京楽はしっかりと七緒を抱きしめた。


「もう日付が変わる……。
リセットして最初からヤろうか?」


ニヤリと笑い、京楽は七緒に口づける。


七緒は頷き、それに応えた。


END

ーーーーーーーーーーーーこの後はご想像にお任せします(笑)


このタイトルはお題配布サイト「Dear.」の鈴木様に頂いたものです。

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