戯れ以上真剣未満

□約束は
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「では、今回の定期報告だが...」


四角形に組合わさった机の一つでそう告げるのは、一番隊副隊長・雀部長次郎忠息。


総隊長の山本元柳斉重國への忠誠は気持ち悪いほどだと(リサは)思う。


そんな雀部の話を聞いている者はほぼ皆無だ。


二番隊副隊長・砕蜂は同隊三席・浦原喜助の愚弄さを同隊隊長・四楓院夜一に報告するための報告書を作っている。


三番隊副隊長・射場千鉄はあの独特な広島弁で同隊隊長・鳳橋楼十郎への不満をぶちまける。


四番隊副隊長・山田清之介は何らかの悩みを隣の五番隊副隊長・藍染惣右介に相談し、藍染は苦笑しながらも聞いている。


六番隊副隊長・朽木蒼純は暑さに負けたか、顔色悪く俯いている。


七番隊副隊長・小椿刃右衛門は剣豪の名相応しく刀を磨いでいる。


九番隊副隊長・久南白は言うまでもなく、お菓子に入り浸りだ。


十番隊副隊長は欠席。


十一番隊副隊長も欠席。


十二番隊副隊長・猿柿ひよ里は心底つまらない、というように頬杖をついていた。


十三番隊副隊長・志波海燕はつい先程、同隊隊長・浮竹十四郎の看病に戻った。


そして、八番隊副隊長・矢胴丸リサもつまらなくて仕方がない、というようにお下げにしている髪を弄っていた。


全くやる気のない各副隊長に怒りをぶつけようとする雀部の目の前にリサが、スッと報告書を差し出す。


「ん、報告書。報告終了。
もう帰ってえぇやろ」


そう言って部屋を出る。


ひよ里と白も続いて報告書を提出し、部屋を出ていく。


残された面々は顔を見合わせた。


「相変わらず女性とは思えない格好良さで...」


「そうですね...」


悪態とは思えない悪態をつく清之助に藍染は苦笑しながら頷く。


今更何を言っているのだ、と。


矢胴丸リサといえば八番隊隊長・京楽春水のお気に入りで、男性死神以上に女性死神にモテ、M男曰く"蹴り飛ばされたい女性死神"第一位ではないか。


もちろん、藍染が"自分なら遠慮する"と思ったのは言わずもがな、である。


彼女に蹴り飛ばされれば、打撲では済まぬことだろう。
 

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