Dea pregare

□第一祈
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むかし、終わりかけた世界の再生を祈り続けた女神が一人。





彼女が、そしてその子孫が祈り続け世界は守られてきた。




世界は終わることなく現代も発展し続けている。





いつからか女神の子孫は祈り子と呼ばれ、
教会でただひたすら祈り続ける存在となった。




だが、現在の祈り子は男。




その名を



“ディアファルコ”



鷹の女神、という。









「ったすけて…」


小さな声は真っ白な教会に響いた。
いや、教会なんてものじゃない。ここは祈り子を閉じこめるただの箱。


そこにいたのは祈り子。

ただ祈ったのは、世界の平和ではなかった。





「ここから…っでたい」




ただ自分は、もう、自由になりたいだけ。



たすけて、誰か。











「お前か?オレを呼んだのは」

その声に祈り子が振り返れば緑色の瞳と髪をした少年。
差し出された手をディアファルコと呼ばれる彼はゆっくりと握った。


「お前の助けて、が聞こえた。オレは緑間真太郎なのだよ」

「…はじめまして。オレ、高尾」

「…はじめまして」


緑間は高尾の手を引いて教会をでる。



僕たちは出会ってしまった。



それは終わりへの始まり。




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