Fallen spirit
□第四話 -謎-
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「青峰!魔物や!」
翌日、目的地を目指して歩いていた3人の目の前には大きなウルフ5体。
青峰はまずいな、と舌打ちをする。
この辺の魔物は強い、しかもどこか凶器に満ちているような感じだ。
「っいくぜ!!魔神剣っ続けてっ瞬迅衝!!」
「いくよ、飛燕連脚っ」
『祈りは光の力となる…フォトン!』
青峰が剣撃、高尾が格闘技、今吉が術で攻撃する。
時間はかかり、それでもウルフが残り二体となったとき、一番接近戦を余儀なくされている高尾の肩にウルフが思い切り噛みついた。
「っあ、ぐ!!」
「カズ!!…っえ…?」
青峰が高尾を呼んだとき、青峰の胸に後ろから槍が突き刺さった。
「あ…おみ…ね…?」
げほ、と青峰の口から血が溢れたかと思えばその体は地面に倒れ込んだ。
高尾もその光景に目を奪われウルフを忘れていたらしくウルフに噛みつかれ引っかかれ血だらけになっていた。
「な…ん、」
「やはりあれはNo.8!!よくやったぞ!!」
背後から聞こえた声に、振り返ればそこには何十人もの兵士。
そして、一人の男が武器を持っていない、周りから称えられている。
お前か。
お前が、お前らが青峰をカズをこんな目にあわせたのか。
殺してやる。
殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる
今吉の口は勝手に詠唱を紡いでいた。
『荒れ狂え風、散り乱れろ花弁』
体がきしむ、脳髄から叩きつけられるような激しい頭痛。
『人を喰らいて古より生ける紅き花よ我に力を貸したまえ』
かざした手の感覚がない。
いや、今…自分は、ワシは…
どこにいる?
『我、念ず。…消えろ』
「っく、今、吉サン…っ!?」
青峰が見たのは、いつもは細まっている目が開かれ、その瞳は紅く染まり、涙を流して強大な術を使っている今吉の姿。
そして辺りには、
何もなかった。
木も魔物もなにもかもが直径1km位の円に焼き尽くされている。
「な…んだ、こ……れ、うっ、ぐ…げほっ!!」
青峰が声を発したことにより今吉は青峰に目を向け、高尾にも向ける。
そして、静かに口を開いた。
『名も無い白き花、我に力を授け、彼の者を………助け…て』
今吉が唱えた詠唱によるものなのか青峰と高尾の傷が一瞬のうちに癒えた。
そして今吉は、ふらりと体を揺らし、
地面に倒れ込んだ。
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