魂喰
□初めまして、
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新しい家。と言われたところで
見慣れていることにはかわりなく
すぐに環境にもなれ、毎日を過ごしていた私。そんなある日、死神様に呼ばれた私は死神様の元へと向かい、ポツンと鏡の前に立っていた。
…ブンッ
毎度の事ながら、突然鏡に写し出される死神様の姿にびくりと肩が小さく跳ねる。
「ういっす、ちぃーっす!調子はどぉ〜?少しは慣れたぁ〜?…て、言っても何度も来てたしわかるよねぇ〜。」
コクコクと頷く私に、死神様は話を紡ぐ。
「大分慣れたみたいだしぃ〜、今日は会わせたい子達がいるんだよねぇ〜、どう?会ってみる?」
状況が飲み込めずに、きょとんとした表情を浮かべていると、ギィっと音をたてて背後の扉が開かれた。
「お呼びですか。」
入ってきたのは、黒髪に三本のライン。綺麗に整えられた服装。大人びた雰囲気の男の子。
「やぁ〜キッド!今日も三本のラインがかわいいね〜♪」
むすっとした表情を浮かべ反論を述べようとする少年の言葉を遮るように、死神様が口を開く。
「この子☆ちゃん!ちょっと前からここに住んでるからぁ、仲良くしてあげてねぇ」
視線がこちらに向くと、自然と威圧されたかのようにぴしっと背筋が伸びた。
「…なんという…」
「…へ?」
何かまずいことでもしたかと、視線を泳がせていると、ずかずかと近づいてきた少年に両肩を掴まれた。
「素晴らしい左右対称!!!」
「し…しんめ…と?」
「素晴らしいぞ、君!僕はデス・ザ・キッド。よろしく。」
掴まれていた肩から手が離れ
目の前に差し出された手を軽く握り、名前を告げると軽い会話を交わし、少年は鼻唄混じりに部屋から出ていった。
これが、キッドとの初めての出逢い。