祐要

□花火
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とある夏休みの平日、俺はいつもの様に課題をこなしていたところに、ある一本の電話が鳴った。
普段からマナーモードにしていることが多いが今日はたまたまマナーモードにしていなかったため部屋中に着信音が響き渡った。
俺はベッドの上にある携帯の液晶画面をみると意外な人物の名前が映し出されていた。



「浅羽 祐希」


…え、祐希?つか珍しいな。こいつが電話かけてくるなんて。メールも、あんまりねぇーのに?
俺は液晶画面を見ながら、いろんな考えを巡らせていた。
6コールぐらいだろうか。その時に電話に出ることを思い出した。
急いで通話ボタンを押す。

「…もしもし」

「要さん電話に出るの遅すぎやしやせんかぁ⁇」

「うっ…うっせぇな!こっちは、いろいろと忙しんだよ‼」
液晶画面見ながら百面相してたけど。

「…ふーん、まぁいいけど」

「とっ、ところでお前何の用事だよ?」

「ん?あぁ、ええとね……要のせいで何の用事か忘れちゃったじゃん。どーしてくれんのー?」

「はぁ⁈何人のせいにしてんだ?
てめぇ‼ 」

「要が電話に出るの早かったら、忘れなかったのにー」

「久しぶりにかけて来たと思ったら…お前何なんだよ⁈」

「要そんなことで怒ってると将来倒れちゃって病院送りですよ?
要くんの大好きな かおり先生と
結k…「おい。本気で電話切っぞ」
1分くらいたった頃に祐希が用件を思い出したらしい。

「あ、思い出した」

「あ?何だよ」

「用件です」

「…っ、やっと思い出したか…
で、何だよ?」

「…今日ってさぁ。花火大会あるじゃないですか。」

「…ん?あ、あぁ あるな」

「だから、そのですね。2人で
行きませんか?」
俺は何を言えば良いのか分からずにフリーズ状態になってしまった。
…たっ確かに俺達は付き合っちゃぁいるが…一ヶ月前に祐希が告白してきて俺も好きだったから付き合うことになったけど…あれから
恋人らしいことは、皆無と言っていい程なかった。これって、付き合う前と変わらねぇじゃん。と思ったけど…そういうことを言うのも恥ずかしいし…と思っているうちに夏休みになってしまったのだった。
 

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