イブリスの仮面

□ペルソナ4
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使い続けていたイヤホンが壊れたのでジュネスの家電品売場に買いに行った日、大型テレビへ飲み込まれる同じ高校の制服を着た子達を見た。
昔は夜中の零時に人が棺になる時間もあったし、そういうことも有るのだろうと大して深く考えずにそのテレビへ近付く。
なんの変鉄もないテレビに見えた。だが先程吸い込まれたのは見間違いでは無さそうだしと、なんの気と無しに手を伸ばして画面へ触れようとすると手が画面をすり抜ける。
一瞬の驚きと共に手を抜いてテレビ画面を見つめ、けれども結局そのまま帰ることにした。
手がすり抜けるから何だというのだ。何度も転生を繰り返したせいでもっと信じられないものだって見たことがある。
それだけだ。


イヤホンを買って帰った。













家に帰ってテレビを点けると、最近この町で起こった事件に関する特番が行われている。
事件現場は学校の通学路だった。殺されたのはアナウンサー。
だから何だ。自分は何も出来ない。

「……腹減った」

テレビを消した。






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