嘘吐き

□take it easy 第5話
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「なんだ、

甘えたくて来たんじゃん。」


「ちげーよっ!
都合のいいように解釈すんな!」


「なに、
じゃあ触ってやらねーよ。」


俺は榊さんの頬に添えた手をすっと引いた。


「おまえ意地悪いよ!」


「求められなければ与えないの、俺は。」


「鬼畜。


おまえのこと優しいなんて思ってた俺がバカだったよ!」



「はは、

本当に可愛いなあ、榊さんは。」



ぷいと拗ねる彼が愛おしくて髪を撫でた。


それだけで彼はうっとりとした表情になる。



こんな男が今まで女を抱いていたかと思うと信じられない。






瞼にキスをすると更に表情は色情を帯び、
潤んだ目で俺を見つめる。



そして、唇を絡めとってやるととても気持ちよさそうに舞うような息を漏らし

俺の背中に腕を巻き付けてくる。






「柏木、

…キスうますぎんだよっっ」



恥ずかしいなら言わなきゃいいのに
顔を真っ赤にして律儀に感想を述べてくる。






真面目だなあ、榊さんは。





「もっと、してほしいってこと?」



「っ、いちいち訊くなよ!そうゆーこと。」



「もう、分かりやすいなあ、
榊さんは。」


たくさん、浅くて軽いキスをしてじゃれあう。









「ねえ、」






「ん?」





「あのさ、



そろそろ


“榊さん”って呼ぶのやめない?」




「あー、


なにがいい?

シュウヤ?

榊?

シュウちゃん…
シュウ


榊デラックス?



「なんだよ、最後の…

好きに呼んでよ。

あ、最後の以外ね。」



「そうだなぁ…」



考えてる間をも惜しむように俺はキスを落とす。



だって次いつこういうチャンスがやってくるかも分からないし。



「うーん、
でもやっぱり榊さんがしっくりくる!」


「意味ねーじゃん。」


「いーのいーの」


そして、思い切り深く口づけた。


物欲しそうな舌に自分のそれを絡め、
くちゅくちゅと味わうときつく吸い上げた。


榊さんの目尻には既にうっすら涙が滲んでいた。


「そんな気持ちよさそうにされるとたまんないよ。」


「…だって、」


彼のさらさらした髪を撫で、角度を変えては何度もキスをした。


指を首筋から鎖骨へ滑らせ
その後を辿るように唇で愛撫する。







「ン…はぁ、

ぁ、」


「首弱いですよね。」



執拗に首筋を舐め回すと
次第に反応が大きくなる。


「ァ…、、ん!
ぁ、ァぁ……ッハァ…」

それでも必死で声を抑えようとする彼が気に入らなくて
するりと空いていた手を服の下から入れ胸の突起の周りからじわりと攻め、
最後にピンと色を付けるそれを指先でかりかりと掻く。



「や、―ッハ、ァア…ッ」



シャツを捲り上げ、次はそこを舌で転がすように愛撫する。

次第に声を我慢できなくなってきた彼は
恥ずかしそうに、甘ったるく声を漏らす。


「は、ぁ、、おんなじとこばっ、か…や、んなよ

……




ンゃぁっっ!」


舌での愛撫をやめないまま彼の中心を服の上から触ると彼は一際高く鳴いた。


「ちょ、…あのさ


色々…
早急すぎない!?」

「榊さんが誘ってくるからでしょ?

大丈夫、
すぐにまた何が何だか分からなくなるから。」

にっこりそう言うと彼は不機嫌そうに口を尖らせた。







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