嘘吐き

□take it easy 第5話
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※柏木視点で裏有り


















あの旅行で初めて榊さんと体を合わせた。



なんとも言えぬ甘美な彼の濡れ姿は
俺の加虐心を煽るのには十分すぎるくらいで
ぐちゃぐちゃに壊さないよう、
理性を保つのに必死だった。



男を抱いたのは初めてだったが
世の中にはこんなに気持ち良いセックスがあったのだと驚いた。







それからというものの俺は彼を抱きたくて仕方ないのだが
なかなかそのタイミングが巡ってこず、悶々としていた。







そんな時、都合良くチャイムが鳴った。









♪ピンポーン





「はいはい、はいはい」




姿を確認するとそこには待ちわびた人。






俺は快くドアを開け彼を招き入れた。




「おじゃましまーす。」



仕事帰りにそのまま来たのだろう。



「あー腹減ったー」

「珍しいね、連絡もなしに来るなんて。」



「だめなの?」

なんて首を傾げて聞いてくる。

いつそんな技覚えたんだよ。


「だめじゃねーよ、珍しいねってだけ。

てかさカップラーメンしかないけどいい?」




「いーよ、なんでも。
食わしてもらえるだけでありがてー」


「いや、後で食費請求すっから。」


「えー、ケチだなー柏木はなー」

なんてね。
なんか今日はこの雰囲気からして彼は甘えたな気分なんだろう。


俺にとっちゃ都合のいいことこの上ない。






「はい、3分経ったら食べていいよ。」

テーブルの上にカップラーメンを置く。


「はーい。」


今までとまるでキャラが変わってしまったみたいな彼がおかしくてつい笑みが零れる。


本当はとても可愛い人だ。


3分“待て”をさせられてから
ラーメンを嬉しそうにすする彼は
無垢な子どものようだ。







まあ、俺はその純粋無垢な彼を
今からどうやって攻めようかと考えるのに
全ての思考を持っていかれていたことは言うまでもない。










「あー!
美味かったー!

ごちそうさま。」



そう言って彼はソファにぼふっと沈んだ。




さっきから俺はね、我慢してるから
次はワタクシが頂く番かいの、

躊躇なくその上に被さる。










「ンはは、

重いよ柏木。」



「どうしたの?
今日はいきなり家に来るなんて。

急に会いたくなった?」


茶化すとすぐに顔が赤くなる。


「違うよ…
仕事早く終わったから、

…いーだろ!?
別に遊びに来たって!」


彼の顔の横に手をつく俺の腕に
彼はぎゅっと抱きついてきた。


「甘えた。」

俺がチクリと言うと

「そんなことゆうんだったら
いっぱい甘やかしてよ」





っはー!

本当にいつにも増してかわいこぶっちゃうんだから!


それはもう誘っているとしか思えないのだ。





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