嘘吐き

□夕空に沈む
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「おい!佐伯2人組!」


担任が廊下から俺らを呼んでいる。

俺らは教室で、昼食をとっていた。
勿論、別々に。

担任はまだ若い体育教師で、
がっちりした体格の色黒男だ。

今日もTシャツにジャージか。




「なんですか?斉藤先生。」

涼が礼儀正しく聞き返す。

「お前ら、まじでやばい。


体育、単位落とすぞ。
まじで。」


恐れていたことが現実に。

って自業自得だけど。


このままでは、日焼けが嫌いなただのサボタージュ仲間から
紫外線を言い訳に単位を落としたバカやろうどもに昇格してしまう。



「とにかくお前ら2人とも残りの授業に出ろ。

それから、

夏休みに入るまで毎日グランド整備をすること!」


「えぇ!?やだよ、先生、なんとかなんねぇ??」

「だめだ、残りの授業出てもおまえらぎりぎり出席足りねーし。」




まあ、俺が悪いんだけど。



それにしても、夏休みまであと3週間もある。先が思いやられて仕方がない。


「早速今日から頼むぞ。」
斉藤はそう言い残して遠ざかっていった。

「将くん、サボるんじゃないよ。」

君は妙に畏まった口調で冗談めかす。

「お前の方が心配だし、今日ちゃんと来いよ。」

少し睨みを利かせて言う。

「ごめん、今日彼女と約束してるから、ちょっとやったらすぐ帰るわ。」

なんだよ。
なんなんだよ。


「お前、まじ自己中なんだよ!どっちが困ったちゃんなんだよ。

この、くそ。ぼけやろー!」
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