青天の霹靂
□青天の霹靂
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この前、久しぶりに
携帯電話の電源を入れてみた。
すると、暫く置いていたお陰か、
電源がついてランプが赤く点滅した。
待ち受け画面の上に流れる
ニュースのテロップ。
そのニュースは
わたしの知らないもの。
平成の世界は、わたしが居なくても
きちんと廻っているみたいだ。
そんなこと、
わかっているのに
わたしなんかが居なくなった位で
世界が止まるわけないのに、
何故か、虚しくなった。
飛行機は欠航しない。
学校は休みにならない。
カレンダーにも残らない。
誰かが祈ってくれる訳でもない。
欲張りのわたしは、
世界が止まって欲しかったの?
みんなに心配して欲しかったの?
ひとりで繰り広げる葛藤を余所に、
携帯電話はまた、切れてしまった。
時間は、止まってくれない。
[青天の霹靂‐013:赤と青の心]