青天の霹靂
□青天の霹靂
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「っわあぁぁ!?」
(落ちる!落ちる!川!)
風が皆無になった空から、実仁は真っ逆様に川へと吸い寄せられるように落ちていく。
重さに比例して落ちる速度は増し、体制を整えることも出来ない。
実仁の上に浮遊していた教科書が、実仁の上に落ちてきた。
(あ、だめかも、)
水面が近くなったのを悟った実仁は、身を堅くして、強く目を瞑った。
…――バシャンッ!!
自分の体が水に落ちた音がした。
聴力が水により鈍くなる。
だが、体は水に打ち付けられた感覚がなかった。
肌も、水に濡れた感じがしない。
髪の毛が張り付く嫌な感じもない。
実仁は奇妙に思い、うっすらと目を開けた。
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