青天の霹靂
□青天の霹靂
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(なんで!?大した風強くないのに!)
とうとう実仁と教科書は地面と20メートルは離れてしまった。
重い鞄を持っているせいか、教科書の方が実仁よりも少し高い位置にいる。
風に飛ばされた実仁は、風に浮遊することに慣れてきていた。
理解しがたい現象だが、運動神経は良くないが元々高いところは苦手じゃないため、少し楽しんでいた。
だが、ちょうど近くにあった川の上空まで来たところで、風が緩まってきた。
(え、ちょっと川とか怖い!!)
実仁は、緩まってきた風によって、少しずつ地面との距離を縮めていた。
スカートがひらひらと空で踊る。
実仁はスカートを抑えながら、真下にある川を見た。
「――あ、」
その時、急に実仁を空へと運んでいた風が止んだ。
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