青天の霹靂

□青天の霹靂
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「大政奉還、木戸孝允…、」



その時、





「ぅわあっ!!」


突風が吹いて、教科書をさらっていった。
宙に浮く教科書は、パラパラと頁を変えてゆく。


そして先程の突風により、もうひとつ有り得ない光景が。




「ちょっ、嘘、あーっ!!」



色気の欠片もない声を上げながら、セーラー服を翻し、宙に浮く実仁の姿。
後ろに振り向くと、風に弄ばれたセーラー服の襟が邪魔をする。



誰もが目を疑う、夢にも思わない光景だが、今は誰一人として付近に居ない。

しかも突風は未だ吹き続け、日本史の教科書と実仁を空へと舞上げてゆく。


(なに、なに、なにがどうして!)

実仁は歴史も覚えられないその空疎な脳みそで、必死にたった今起こっている現象を理解しようとした。

だが、こんな現象は理解できるはずもなく、ただ空々とした空に手足をばたつかせるだけであった。

その行動も虚しく、実仁と教科書はまだまだ上空へと上がり、地面が遠くなってゆく。


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