J禁小説
□MY ANGEL,YOUR ANGEL
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『生徒会長の幼馴染みが学校で1番のワルってだけでも十分足引っ張られてんだけど?笑』
「うっυ」
和也は手に持っていた書類で俺の胸板をパシンと叩く。
和也はこの学校の生徒会長だ。俺とは違って成績はオール5で,遅刻・欠席もしたことない優等生なんですυ笑
完璧で隙がない和也にとって俺のような落ちこぼれ君は目障りなのか……中学3年の頃からちょっとずつ距離が開き,学校では人目がないとこでしか話掛けてくれなくなった。
それでも2人の時には普通に笑ってくれるし会話もしてくれる……とりあえず幸せだからいいんだ☆
俺って一途っしょ♪笑
『とにかく!!今回の停学で少しは生活態度を改めることだな。』
「はいはいυご丁寧に心配していただいてありがとにゃ♪笑」
『もおー!!すぐふざけるし!!』
和也の瞳がきつくなり俺を睨むけど,身長差から上目使いしてるみたいで可愛くってしかたない★
俺はそんな気持ちになんとか蓋をする。
「カズ,どうした?」
俺の背後から良く通る低い声がする。
振り向くと目線がぶつかり合う。ハニーブラウンの前髪から気が強そうな二重の瞳がある。
和也が俺の横からちょこんと顔を出し,その人物を確認する。
『あっ……山P☆』
何その笑顔!!!!
100ワットはあるかと思うくらいの微笑みを生徒会副会長である山下智久に浴びせる。
それと同時に俺からサッと距離を取り,山Pの方に近付くのが分かった。
「ん?なんだ,誰かと思えば赤西ぢゃん★何?これからサボり?笑」
『………これから停学なり〜♪』
「ふうん?あっそ☆」
俺が怒りを殺してわざと明るく話してやってんのに……山Pは相変わらずのマイペースさでサラッと交す。
和也はいつの間にか山Pの横に立ち,完全に俺と対立する形をとる。
そんなに俺ってダメなヤツなんかよ……
『山P,どーしたの?』
「ああ,カズが遅いから迎えに来た★……赤西と話してたのか?」
一瞬,和也の顔に恐怖にも似た暗い影が射す。俺の顔をチラッと横目に見る。
そして,ハッキリとした口調で答える。
『ううん、なんでもないよ……』