Ｊ禁小説
□俺の人種論【☆】
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「ここ美味いやろ？前にシゲに連れてきてもろて今じゃ俺の方が常連になってるんよ。」
『………へぇ。』
「？」
いつもの慶ちゃんの感じがフッと消える。
俺はそれをすぐに察知すると黙って向こうの出方を伺う。
どうしたんやろ？
顔には影が落ち,表情が読み取れへん。
『……なんで黙んの？』
「慶ちゃんこそ…」
『……』
「なんか気に食わんかったん？」
『……ぅん。』
「なに？」
『……言いたくない』
「言わなわからん。」
『じゃ……錦戸も言って欲しいことある。』
「？」
『なんで待っててって言ったの？収録……』
―――――――――――
慶ちゃんの薄い褐色のよい瞳を見ると真っ直ぐとしてる。
覚悟を決めたって感じの目をしてる。
俺は騙してきた気持ちに向き合う。意外にもあっけなく答えが出てきた。
なんや……そーゆーことなんや。
どおりで今まで出会った人間とちゃう訳やυ
慶ちゃん,君は俺にとっての【特別な人間】やったんや。
―――――――――――
「………やから」
『なに？聞こえなかったんだけど……』
「好きやからってゆーたんよ。」
『!!』
「あのまま帰したなかったんよ。慶ちゃん,俺に会いに来たとか可愛ええことゆーし。」
『そ,そんなつもりじゃないし――!!』
「じゃあ天然なんや。誰にでもしてるってことなんか？それやったら俺が慶ちゃんに好きゆーたんも天然コマシにしてやられたってことなんかなぁ？」
『えっ？わ,分かんないよ……そんなん…』
「分からん訳ないやん。自分の気持ちやで？俺の事どー思うてたかって話やん。なんのつもりで会いに来たん？」
―――――――――――
やけによう喋るなぁυ自分でもこんな女々しくなるやなんて思わんかった。人間嫌いで執着なんかしたことなかった俺やからかな？
慶ちゃんを繋ぎとめたくて仕方ない。
俺の気持ちをただ慶ちゃんにぶつけてるだけやて分かってる。困らせてるだけやっちゅーことも……。
そんでも止まらへん。
―――――――――――
『………俺だって…………好きだから……』
「へ？」
『好きだから!!』
「お,俺？」
『他に誰がいんの？笑』
「……好きなん？俺のこと。」
『うん。』
「そーか……」
『…………錦戸？ちょ,なんで泣いてんの!?』