僕のヒーローアカデミア小説

□紅蓮ノ恋情5
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職場体験前日の夜。今日も出久と過ごせた轟は少し浮かれていた。

明日から一週間も出久に会えないのかと思うと寂しい気持ちになるが、その分、今日は長く出久と触れあうことができた。

出久は優しいから寂しいと言えば戸惑いながらも触れることを許してくれる。弱味につけ入るようで悪いなとは思うが欲望には抗えない。

今日も深紅の着物を着せて体中を弄り、舐め回し、出久の中に精液を注いだ。それも一度ではなく何度もだ。

快楽の余韻に震え、うつ伏せに倒れこむ出久の尻から自分の精液が滴る様は酷く美しく轟をいっそう興奮させた。

早く出久と繋がりあって一つになりたい。けれど怖いと拒む出久を強引に抱くことも出来ない。

どうすれば出久は自分を受け入れてくれるのだろうか・・・。

「おい、焦凍」

深く考えていると斜め向かいから父が声を掛けてきた。今は夕食の席で珍しく父も同席していた。

普段から静かな食卓だが父が居ることによって何処か空気が張り詰めている。姉も二人の兄も父の事は苦手なようだ。

もちろん自分も父は嫌いだ。けど、以前ほどの憎しみは感じない。

母との蟠りが解け、自分は自分なのだと気付けたから・・・。

それも全て出久のお陰だ。出久が自分は自分なのだと教えてくれたから・・・。

「明日から俺のもとでヒーローについて学ぶんだ。少しは気を引き締めろ」

唐突に始まった小言に轟は眉間に皺を寄せる。普段は父親らしいことの一つもしていないクセに偉そうな・・・。あからさまに嫌な顔をすると父は更に続けた。

「それから最近、家に誰かを連れ込んでいるそうじゃないか。遊んでばかりいないで勉学にも励め」

殆ど家に居ないくせに変な情報ばかり仕入れている所もまたウザい。腹が立った轟は「うるさい」と口を開きかけた。だが、ふと思い至って止めた。調べたいこともあるし、丁度いい。

「・・・わかった。机に齧り付いて勉強してりゃあ良いんだろ」

代わりにそう返した轟は食事の席を立ち、真っ直ぐ自室へ向かった。

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